CONTENTS
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表紙
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特集
「進取の精神」で持続可能な社会づくりを推進
鹿児島大学・SDGsへの取り組み -
学びの部屋 ~誌上講義室~
ゴジラに適用する法律は?
「自然環境保全と世界遺産」/
共通教育センター・教養教育科目・教養活用科目
中島 慶次 特任教授 -
Research&Contribution ~鹿大の研究~農学部附属焼酎・発酵学教育研究センター
吉﨑 由美子 研究教授
理工学域理学系・理工学研究科
馬場 淳一 特任准教授 -
OBOG interview ~卒業生メッセージ~中央消防署吉野分遣隊 消防士長
濵田 聖愛 さん -
KADAI TODAY
長崎大学・宮崎大学との3大学間連携協定調印式
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鹿大トピックスあべ俊子文部科学大臣が鹿児島大学を視察
宮崎大学との包括連携協定締結式を挙行
ほか -
with KU ~パートナー企業紹介~株式会社ハイパーソフト
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Growing! ~鹿大生の横顔~鹿児島大学法文学部 3年
西原 来海 さん -
CircleFlix ~サークル紹介~学友会吹奏楽団
今号の表紙「鹿児島大学学友会吹奏楽団定期演奏会」
令和7年度(12月開催予定)で64回目を迎える鹿児島大学学友会吹奏楽団の定期演奏会。毎年、ご来場の皆さまに楽しんでいただけるよう、吹奏楽曲からなじみ深いポップス曲までを組み込んだプログラムになっています。
はらぐちあつこ(イラストレーター)
鹿児島大学法文学部法政策学科卒。電力会社勤務を経て、桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン科修了。東京のデザインコンサルティング会社でVI・CIデザイン制作業務の他、歴史絵本制作にも携わる。2015年より峰岸達氏に師事。2020年より福岡市に移住し、フリーランスのイラストレーターとして活動中。

「進取の精神」で持続可能な
社会づくりを推進
鹿児島大学・SDGsへの取り組み
進取の気風あふれる総合大学として、地域社会、国内外の発展に貢献し、地域と世界の未来を切り拓く教育研究拠点を目指す鹿児島大学では、南北600キロメートルに広がる多彩で豊かなキャンパスを学びのフィールドとし、「持続可能な世界」の実現に向けて、SDGsの達成を見据えた教育・研究に力を注いでいます。
海底に眠る海洋ごみの実態を調査し
ごみ問題解消の社会システム構築へ
鹿児島沿岸で行われている底曳網漁業による
海洋ごみ回収特性の解明
ごみ問題解消の社会システム構築へ
海洋ごみ回収特性の解明
全国各地の沿岸漁業で漁師の網にかかるのは魚だけではありません。陸から流入するさまざまなごみの回収が漁師の負担となり、漁業の作業効率にも支障をきたしています。本研究では豊かな海を未来へ継承するために、沿岸漁業によるごみ回収の実態を解明し、課題意識を社会全体で共有して問題解決を目指す取り組みを進めています。
漁業者が直面する海洋ごみ問題
今、海洋ごみの問題が多くのメディアで取り上げられ社会的な関心が高まっており、私たちは鹿児島県の沿岸域で海洋ごみの実態を調査しています。元々は、効率的な魚の獲り方や魚の鮮度保持の技術について研究をしていたのですが、実際の漁の現場で多くのごみが底曳網にかかる現実を目の当たりにしたことが調査を始めた理由の一つです。
想像してみてください。自分たちの家に誰かがごみをポイポイ投げ入れていたら、決して気分の良いものではありませんよね。沿岸漁業をしている漁師さんたちは、自分たちの漁場にごみが流れ込んでくるという困った状況を日常的に抱えています。網にかかるごみの種類はほとんどがプラスチック容器類ですが、ときには布団、冷蔵庫といった大型のごみが網にかかることもあります。家庭ごみなら、地域のごみステーションに出しておけば無料で回収してもらえますが、漁業の際に網にかかったごみの処理費は漁業者が負担するという理不尽な状況があります。
さらに漁業への実害も深刻です。網を引き上げて素早く魚の処理をすべきところでごみを取り除く作業が必要になりますし、ごみによって魚に傷が付くと商品価値が下がってしまいます。冷蔵庫のような大型のごみによって網が破けてしまうと、その日は漁を続けることができません。私自身も、海洋ごみがなければ、ごみの調査ではなく本来の技術研究に専念できるのです。
沿岸域の回収でごみの微細化を防ぐ
漁師さんたちの協力を得て回収したごみは全て研究室に持ち帰り、洗浄して乾燥させ、種類ごとに分類して重さや大きさを測定しています。特に海でのレジャーが増える夏場や、雨が降ったあとはごみの回収量が増える傾向にあります。意図的に捨てられたわけではないのかもしれませんが、現実としてごみが流出してどんどん海が汚れていく。ごみが長期間海底に残存している現実を裏付けるように、30〜40年前の古いごみが見つかることもあります。
ごみは海に流出してしまう前、あるいは流出直後の沿岸域に滞留している段階で回収することが重要です。一度海に流出したごみは時間の経過とともに微細化してしまうからです。プラスチックごみが5ミリメートル以下のマイクロプラスチックになると、もう網にかかることはなく半永久的に自然界に残ってしまいます。厄介なことに、マイクロプラスチックは有害物質を吸着しやすく、環境や生態系に長期的な悪影響を与える可能性も指摘されています。
社会全体で取り組むべき課題として周知する
水産資源科学分野
江幡 恵吾 准教授
この研究は環境省のプロジェクトの一環として、東京海洋大学をはじめとする複数の大学と連携して進めており、今年で3年目を迎えます。近年の海洋ごみの量の変化や回収場所によるごみの種類の傾向など、現段階では不明な点もありますが、私たちが目指しているのは、この研究データを広く社会に周知し、海洋ごみ問題の実態を多くの方に知っていただくことです。砂浜に打ち上げられたごみであれば市民が目にする機会も多く「きれいにしなければ」という意識が生まれますが、海底に沈んでいるごみは人の目に触れにくく、問題として認識されにくいのが現状です。
最終的には、海洋ごみ問題の解決に向けた社会システムの構築が必要だと考えています。2019年6月に開催されたG20大阪サミットでは、日本は2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにすることを提案しています。環境省も2030年を目標にリサイクル率向上や使い捨てプラスチックを削減する方針を示しており、2020年7月の全国一律でのレジ袋の有料化をきっかけに、コンビニなどで無料配布されるプラスチック製のカトラリーを減らすなど、使い捨てプラスチックに頼らないライフスタイルを目指す取り組みが始まっています。
まずは「ごみを流出させない、流出したら早く回収する」という原則を社会全体で共有することが大切です。その上で、出たごみの処理を漁師さんたちに押し付けるのではなく、地方自治体などの行政がしっかりとサポートする仕組みを作るなど、処理費用の社会負担を検討する機運を高めていければと思っています。それが、結果的に安全でおいしい魚がたくさん獲れる豊かな海を次世代に残すことにつながっていきます。
和食文化の多様性を守り
地域の宝を次世代へつなぐ
伝統野菜の栽培を通じて
地元の文化を継承していく学習プログラム
地域の宝を次世代へつなぐ
地元の文化を継承していく学習プログラム
戦後の商用品種の普及により消滅の危機にある鹿児島県内の伝統野菜を守ろうと始まったのが、地域固有の野菜を地元の小学校で栽培する学習プログラムです。地域アイデンティティとしての伝統野菜を未来に継承していく道筋を描くために、子どもたちは一年間の活動を通して地域の歴史や文化を学び、独創的なアイデアで地域活性化の新たな可能性を探っていきます。
伝統野菜が育む子どもたちの郷土愛
現在、私たちは鹿児島県の伝統野菜を教材とした学習プログラムを、離島を含め県内約20校の小学校で展開しています。これは、地域固有の伝統野菜を守ることを目的としたプロジェクトで、子どもたちは野菜の種を撒き、育て、収穫し、種を採るところまでを体験しながら、その地域の文化や歴史を学んでいきます。
伝統野菜とは、日本各地で古くから栽培されている地方野菜です。鹿児島県でも多くの地域でその土地ならではの伝統野菜が栽培されてきましたが、戦後、品種改良された生産効率のよい野菜が普及していくにつれて伝統野菜の生産は衰退していきました。
小学校で授業をしていると、子どもたちから「なぜ守らないといけないのか」という疑問を投げかけられることもあります。ニンジンでも里芋でも現代ではスーパーマーケットに行けば手に入りますよね。しかし、伝統野菜は地域のアイデンティティと深く結びついているからこそ失くしてはならないのです。人口減少により、野菜のみならず集落の存続さえも危ぶまれているような地域がありますが、そこに残る唯一無二の文化の灯火を消したくないという思いがこの活動を続ける理由の一つです。さらにこの活動には、品種改良の大元になる在来種の種を守るという意義もあります。
子どもたちには、「地域の伝統野菜というのは、世界のどこに行ってもない、他の誰も作っていない、ここにしかない野菜だから価値がある」と伝え、伝統野菜の希少性や文化的価値を商品価値につなげるにはどうすればよいかを問いかけるようにしています。
野菜から見えてくる日本の歴史と風土
奄美大島では、旧正月に「三献」という郷土料理を食べる習わしがあります。本来、三献に使われる食材や味付けは、それぞれの集落ごとに異なるのものです。伝統野菜は、こういった地域の郷土料理や行事食に使うために受け継がれ、祭りや行事の時期に収穫できるよう計画的に育てられてきました。しかし、自分たちで育てた野菜を使うという伝統が失われると、どの集落の三献も同じ味になってしまいます。
2013年、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されましたが、これは、具体的な料理ではなく「和食」という文化が評価されての登録です。日本には各地の歴史や風土に根差した豊かな食材があり、季節や各地の年中行事と関連する多様な郷土料理があります。そういった食文化が世代を越えて受け継がれている。そこが評価されてユネスコ無形文化遺産に登録されたわけですから、我々も次の世代へと引き継いでいかなければならないですよね。
伝統野菜の歴史はとても興味深いものがあり、多くの集落で平家落人との関わりが指摘されています。奄美の笠利キュウリと同じものが大分や東京の奥多摩でも栽培されているのは、今から840年ほど前、源平合戦で敗北した平家方の人々が山間部や離島へ逃れる際に、同じ種を持ち込んだからでしょう。面白いのは、伝統野菜と同じように平安時代の京言葉も奄美の集落に残っていることです。野菜とともに言葉も、そしておそらく京都の文化も伝わってきたんでしょうね。
鹿児島の場合は、古くから奄美諸島や琉球を通じた海外交易が盛んだったこともあり、東南アジアから入ってきた野菜もあります。とろ茄子や白茄子がそうです。これはタイやベトナムに同じものがあります。
学校を拠点にして地域の文化を継承する
中野 八伯 技術専門職
各地で子どもたちと収穫した伝統野菜を地域の皆さんと一緒に食べるという世代間交流も行われるようになり、私たちのプロジェクトは地域コミュニティを巻き込んだ取り組みへと育ってきています。東市来町では、養母スイカを東京の東市来町出身者の方々に送る活動ができるようになりました。当初の目標の一つであった「学校をシードバンクに」という活動も動き出し、伝統野菜を作りたいという人たちが学校に種をもらいに来るようになりました。この活動を農学部ではなく教育学部で行ったことで、学校が地域の文化継承拠点として機能し始めたのです。
伝統野菜を残していくためにはどうすればよいか、子どもたちの発想は本当にユニークです。「長茄子でビールを作ろう」というアイデアもありましたし、一流のシェフに料理してもらいたいと、実際にシェフを呼んで「かわひこ」という里芋でフランス料理を作ってもらったこともありました。まさに地域を広く発信する体験を実現しています。
大昔に伝わってきた野菜を800年以上、自然災害や戦争を乗り越えながら守ってくれた人たちがいて、脈々と続く営みのおかげで現代の私たちも伝統野菜を食べることができるのです。その事実が、地に足のついた真の持続可能性とは何かを教えてくれているのだと感じています。
原子力災害への備えをゲームで学び
正しい知識で二次的被害を防ぐ
原発事故発生時の避難行動・避難所生活を模擬体験できる教材開発
正しい知識で二次的被害を防ぐ
地震、火山、そして原子力災害。災害の種類によって避難行動・避難所生活は異なります。桜島火山災害版避難所運営ゲーム(HUG)を経て完成した原子力災害版は、原子力災害時の行動を住民が主体的に学べる教材です。もしものときの避難の判断、受け入れ体制の整備、リスクコミュニケーション─。放射線という見えない不安に、私たちはどう向き合えばいいのでしょう。
特殊な災害対応が必要な火山災害と原子力災害
もし今、桜島で大正大噴火クラスの噴火が起こったら、どのような被害が発生するのでしょうか。鹿児島大学地域防災教育研究センターでは、2016年にワーキンググループを発足させ、静岡県が2007年に開発した「避難所運営ゲーム(HUG)」を参考に桜島火山版HUGの開発に取り掛かりました。
静岡県が開発したHUGは地震時の避難所を想定していますが、火山災害と地震災害では影響や被害が異なります。もし、鹿児島市中心部方面に大正大噴火クラスの降灰があれば、鹿児島大学桜ヶ丘キャンパスでも30センチ以上の灰が積もると予想されています。そうなると屋外に出ることもできず、孤立した避難所では、ライフラインの寸断や熱中症の危険と対峙しながら避難者自ら避難所を運営し、健康維持のための行動をしなければなりません。
そして、噴火による災害時の避難所運営が特殊な対応になるのと同様に、原子力発電所で事故が発生した際もまた、特殊な避難行動・避難所生活になります。そのため、原子力災害に特化した教材も必要であると考えた私は、「原子力災害版HUG」を開発したのです。
避難所運営ゲーム(HUG)は、大規模災害時、地域住民や避難者を主体とした避難所運営をみんなで考えるために静岡県が開発した図上訓練。避難者の年齢、性別、国籍、その人が抱える持病・障害などの事情が書かれたカードを、避難所の体育館や教室に見立てた平面図にどれだけ適切に配置できるか、また避難所で起こるさまざまな出来事(イベントカード)にどう対応していくかを模擬体験するゲームです。プレイヤーは、このゲームを通して具体的で実践的な避難所運営を学ぶことができます。
HUGは「H(避難所)」、「U(運営)」、「G(ゲーム)」の頭文字をとったもの。英語で「抱きしめる」という意味があります。
原発5キロ圏の境界で起こる「迷い」を想定する
原発事故は放射線という目に見えないリスクを伴う上、風向きや地形によって拡散の向きが変わります。地震や津波などとの複合災害になる可能性もあり、災害対応はさらに複雑になるでしょう。
原子力災害対策指針では原子力施設から半径5キロ圏の「PAZ」と、半径30キロ圏の「UPZ」の2つの区域を設定し、原発事故が起こった際、PAZの住民は速やかに避難、UPZの住民は屋内待機という基本的な枠組みを構築しています。しかし、数メートルの差で避難指示の対象になるかどうかが変わる、そんな微妙な位置にいる住民は避難すべきかどうかをどう判断すればよいでしょうか。原子力災害版HUGではこうした「迷い」を想定し、状況ごとに最適な行動を選択するための思考力も養います。
HUGで使うカードは「初級」「中級」「専門職」に分かれ、自治体職員や医療職だけでなく、一般の住民や小学生も取り組めるように工夫しています。これらのカードには「認知症の高齢者」「幼い子どもを抱える家庭」といった具体的な状況が記され、HUGのプレイヤーたちは避難者の事情に配慮した部屋割りを提案し、炊き出し場や仮設トイレの設置場所、災害の視察や取材の対応などについて自由に意見を出し合いながら避難所の適切な運営を考えていきます。
薩摩川内市でHUGを実施した際には、自治体職員や住民の方々から「自分たちの地区にはこうした備えが足りない」「この人をサポートできる体制が必要だ」といった、現実感を伴った声が上がりました。
放射線を正しく理解し冷静な避難所運営を
松成 裕子 教授
原子力災害は、薩摩川内市だけの問題ではありません。鹿児島市を含む県内全体で考えるべき課題です。私は鹿児島市の原子力防災アドバイザリーを務めていますが、市の職員の方々には、「あなた方は避難者を受け入れる立場でもあります」と伝えています。福島の事故の際には、避難者に対する風評被害があり、受け入れ拒否のような辛い事例もありました。こうしたことを防ぐためには、受け入れ側の正しい理解が不可欠です。原子力災害版HUGでは、放射線リスクを正しく伝えるリスクコミュニケーションも重視しています。
鹿児島大学では、2012年度に放射線看護専門看護師養成教育課程が設置され、長崎大学や弘前大学と連携して放射線看護について専門教育を実施してきました。昨年12月、本学大学院修了生にもようやく放射線看護専門看護師が1名誕生しましたが、日本ではまだ11名しかいない専門看護師です。大きな混乱が生じる災害時、この人数で全てに対応することは不可能ですから、地域の人たちにも学んでいただかなければなりません。事前に地域のみんなで知識を共有しておけば二次的被害を防ぐことができます。
地域防災教育研究センターでは、防災士の資格を取得できる公開授業「いのちと地域を守る防災学」に取り組んでいます。火山災害や原子力災害に限らず、水害や大型台風などの災害はいつ起こってもおかしくありません。公開授業や教材を活用し、「自分たちの地域は自分たちで守る」という意識で日頃から災害に備えておくことが大切です。また、災害への備えは次世代へ伝えていくことも重要です。私は防災は伝承だと思っています。桜島の大正大噴火を直接知る人はもういませんが、「ここまでは灰が積もった」といった地域の記憶は、次の世代を守る貴重な知恵となるでしょう。
「自然環境保全と世界遺産」/共通教育センター
教養教育科目・教養活用科目 中島 慶次 特任教授
ゴジラに適用する法律は?
日本列島の南に位置し、屋久島、奄美大島、徳之島などの世界自然遺産や多くの火山を有するなど、日本の自然環境を語る上で重要な地域である鹿児島県。そんな鹿児島の自然環境の特性や保全の取り組みについて学ぶ「自然環境保全と世界遺産」の講義では、自然環境問題を語るための多角的な視点を養い、日本の自然環境保全制度や国際協力の仕組みについて理解を深めていく。
外来種問題とは
「自然環境保全と世界遺産」講義の第4回。授業は、「外来種って何?何が問題?」という問いかけから始まった。
現在、日本には2000種類を超える外来種が生息しており、ペットとして持ち込まれたアライグマやアカミミガメ、ハウス栽培での受粉を助けるとして導入されたセイヨウオオマルハナバチ、コンテナに紛れ込んでくるヒアリなどが知られている。その中でも、特に地域の自然環境に大きな影響を与え、生物多様性を脅かす恐れのある生物が侵略的外来種だ。
外来種を分類する法制度
侵略的外来種の問題は生態系だけでなく、毒や攻撃性による人への危険、農地を荒らしたり農林水産物を捕食したりする農林水産業の被害などがあり、社会全体に関わる課題である。中島先生は「日本でも早くから問題意識はありましたが、外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)が施行されたのは平成17年。比較的新しい法律です」と説明する。
この外来生物法に基づき、特定外来生物に指定された生物は、飼養や輸入、野外放出が禁止され、すでに被害が生じているなど、必要と判断された場合は防除が行われる。沖縄や奄美大島に持ち込まれたフイリマングースは、特定外来生物の中でも特に重大な影響が懸念される緊急対策外来種に指定されていたが、長期的な取り組みにより令和6年に根絶が宣言されている。
シン・ゴジラで考える野生動物の制度運用
中島 慶次(なかしま・けいじ)
特任教授
南九州・南西諸島域イノベーションセンター 特任教授
[所属学協会]日本生態学会、日本造園学会、環境情報科学センター
[委員歴]鹿児島県環境審議会、垂水市環境審議会会長(2025年8月~現在)、JICA ボルネオ生物多様性・生態系保全プログラム(フェーズ2)事前調査団、JICA パラオ国サンゴ礁モニタリング向上プロジェクト事前調査団
授業の中盤、映画『シン・ゴジラ』(2016年公開)のゴジラ登場シーンがモニターに映し出され、「未知なる生物が現れたときに、どう対応すべきか」というテーマでグループディスカッションが行われた。中島先生は、「ゴジラは海から自力で上陸し、2本足から4本足へ、また、エラ呼吸から肺呼吸へと形態が変化している」という特徴を挙げ、おそらく世界に一頭だけの希少生物であると指摘する。この生物に対処するための法律は何か。「最近話題のクマと同じ鳥獣保護管理法で対応するのか。絶滅危惧種として種の保存法で扱うのか。防除すべき外来生物か、それとも動物愛護法を適用してみだりな殺傷を避けるべきなのか」。関係する法律や論点が説明された後、学生たちは、どのような対応ができるのか、法改正するならどこなのか、自身で法律の目的や対象を調べながら論じ始める。
学生たちから「両生類か爬虫類のどちらかだと思う」「人に被害が出ている以上、特定外来生物に指定する必要があるのでは」といった意見が出されると、中島先生は「ゴジラの形態や成長過程にはどんな特徴が挙げられる?」「外来法の定義には『導入』された生物とあるけれど、ゴジラは対象になる?」など具体的な助言を提示していく。スクリーンにはオンタイムで学生が出した対応案が映し出され、それを見ながらさらに活発な意見が交わされた。授業後の感想では、「ゴジラという架空の生物について議論するのが斬新で面白かった」「今回調べてみると自分の認識と違っていたこともあり、調べることはかなり大切だと思った」などの声が寄せられた。
『シン・ゴジラ』が上映された当時、環境省の野生生物課に所属していた中島先生は、何法で対応したらいいのかを実際に同僚と話していたという。「ゴジラはさまざまな要素を持つ生物。実際に法律に当てはめてみると、制度運用の際には何を考える必要があるかわかります。環境問題に限らず、何か問題を考えるとき、法律や規則を自分で調べ、できる限り原典を元にして考えることが大切です」と述べる中島先生。こうした授業を通じて、学生たちは自然環境の保全とはどういうことか、法と課題を行き来しながら多角的な視点を身に付けていく。
焼酎造りにおける原材料の成分、微生物の働き、製造工程の科学的検証
~芋焼酎造りの不思議と香りの多様性、そして未解明の謎に挑む~
吉﨑 由美子 研究教授
農学部附属焼酎・発酵学教育研究センター
保存しにくい作物から
おいしい酒を造る知恵
焼酎は当たり前に存在する酒の一種と思われるかもしれませんが、その製法には先人の工夫の歴史が隠されています。特にサツマイモを原料とした芋焼酎は世界的に見ても極めて特異な存在です。サツマイモは収穫後の保存が難しく傷みやすいため、酒造りの原料としては本来不向きな作物です。しかし、水捌けのよい火山灰土壌である薩摩では水田が作りにくく、米よりもサツマイモが栽培しやすかったことから、この作物をどうにかして酒に変える工夫が求められました。
焼酎造りには、デンプンをブドウ糖に分解する麹菌と、ブドウ糖からアルコールをつくる酵母の二種類の微生物が不可欠です。特に焼酎造りで用いられる麹菌は清酒や味噌に使われるものとは異なり、糖化の働きに加えてクエン酸を分泌するという特徴があります。このクエン酸が雑菌の繁殖を抑えることで、温暖な鹿児島でも安全な発酵を可能にしました。しかし酸味があるため、そのままでは飲みにくい酒となってしまいます。そこで蒸留という工程を導入し、酸味を取り除いたことで飲みやすい焼酎が生まれたのです。さらに、蒸留の過程で雑菌の栄養源となる糖やアミノ酸も取り除かれ、保存性も高まります。この技術は、おそらく先人の試行錯誤の末に確立されたもので、おいしい酒を求める人々の知恵と努力が込められているのです。
発酵と蒸留が引き出す
焼酎の香りの多様性
芋焼酎の香りというとサツマイモそのものの匂いを想像しがちですが、実際には異なる香りが漂います。この芋焼酎独自の香りは、原料のサツマイモの中で眠っていた成分が麹菌による発酵の過程で引き出され、クエン酸や蒸留による加熱の影響で香気成分になったものであることが研究によって明らかになりました。
原料となるサツマイモの品種によっても香りは大きく変化します。例えば、コガネセンガンを用いれば典型的な芋焼酎らしい香りが立ち上がり、オレンジ色のサツマイモならフローラルな香り、紫色の品種では赤ワインに似た芳香を放ちます。こうした点は、ワインの風味がピノ・ノワールやシャルドネなどブドウの品種によって左右されるのに似ていて、焼酎の世界がワインに通じる奥深さを持つことを示しています。
最近では、芋の中の成分を意図的に変化させ、より華やかな香りを持つ焼酎を仕込む試みも行われています。ライチやマスカットを思わせるフレーバー焼酎の開発が進むなど、焼酎は伝統を守りつつ革新を続け、味わいの多様性を広げています。この多様さもまた、焼酎の魅力の一つといえるでしょう。
おいしさの謎を解明し
焼酎の新たな技術革新へ
蒸留後の焼酎には糖やアミノ酸は含まれないはずですが、私たちは飲んだときに「甘み」や「旨み」を感じます。科学的には存在しないはずの味覚をなぜ感じ取れるのかは、いまだ謎のままです。また、香り成分はごく微量でありながら酒全体の印象を支配しますが、既知の成分を既知の濃度で混ぜても同じ香りにはなりません。つまり、まだ特定されていない成分が存在する可能性があります。そうした分析を進め、かつて芋焼酎が革新的な技術によって誕生したように、次世代へ残る新しい技術を生み出すことが、この研究の一つの目標です。さらに、長い歴史の中で築かれた焼酎造りの技術や微生物の働きを科学的に紐解き、その不思議を多くの人に伝えていくことも私たち研究者の役割だと考えています。
- 研究のポイント
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- 焼酎の香りを特徴づける化合物を探る。
- 焼酎の原料、微生物、製造工程と香りとの関係を解明していく。
- 研究の成果を用いて焼酎の新たなフレーバーを生み出すとともに、品質改善や安定製造の技術に応用していく。
吉﨑 由美子(よしざき・ゆみこ) 研究教授
北海道大学 博士(農学)2007年3月、北海道大学修士(農学)2003年3月、2007年~2010年鹿児島大学農学部寄附講座焼酎学講座 特任助教、2011年鹿児島大学農学部附属焼酎・発酵学教育研究センター 特任助教、2012年 鹿児島大学農学部附属焼酎・発酵学教育研究センター助教、2015年鹿児島大学農学部附属焼酎・発酵学教育研究センター准教授、2024年 鹿児島大学農学部附属焼酎・発酵学教育研究センター 研究教授
■所属学会等:日本農芸化学会、日本生物工学会、日本醸造学会、日本応用糖質科学会学会、日本老年医学会、日本転倒予防学会
■研究分野:○発酵工学○食品工学
共同研究者メッセージ
鹿児島大学農学部附属焼酎・発酵学教育研究センター
髙峯 和則(たかみね・かずのり) 副学部長・教授
焼酎の香り成分は全体のわずか0.2%程度にすぎませんが、その組成によって芋焼酎と麦焼酎の識別や銘柄ごとの違いを判別することができます。吉﨑先生は、芋焼酎特有の甘い香りに寄与する成分の前駆体や生成機構を解明してきました。また、中国の蒸留酒である白酒と焼酎の酒質を比較することで、焼酎独自の特性を明らかにする研究も進めています。近年「香り系芋焼酎」が注目されており、吉﨑先生の研究成果が新たな商品開発に利用されることを期待しています。
天の川銀河を旅する太陽系の移動史を数値シミュレーションで解き明かす
~移動による環境変化が生命を育む「銀河ハビタブル軌道」という新たな概念~
馬場 淳一 特任准教授
理工学域理学系・理工学研究科
1%の軌跡が示す
太陽系の移動メカニズム
天の川銀河における太陽系の軌道変化の想像図 。天の川銀河や太陽系の成り立ちを理論的に計算している
天文学専用スーパーコンピュータ「アテルイIII」を用いて、天の川銀河の現在・過去・未来の姿を予測する
宇宙にはたくさんの銀河がありますが、そのうちの一つが天の川銀河です。私たちの属する太陽系は約46億年前に天の川銀河で誕生し、現在、銀河系中心から約2万7000光年の位置を周回しています。しかし、誕生時は今よりもっと内側の位置にいたことが太陽系を形成する元素の量から明らかになりました。銀河は内側にいくほど星形成活動が活発で、金属などの重元素量が多くなります。太陽系は、同時期に生まれた他の惑星系と比べて金属量が多いため、内側起源といえるのです。では、どうやって今の位置まで移動してきたのでしょう。
天の川銀河は円盤状に回転していて、中心部の星々が細長い楕円体状に分布する「棒状構造」と、特徴的な渦状の「渦巻構造(スパイラルアーム)」を持つことが観測からわかっています。太陽系は生まれた後、銀河の回転に伴い、この棒状構造や渦巻構造の影響を受けながら外側へ移動してきたと考えられます。私たちは、太陽系が現在の位置までどのように移動してきたかを解析するために、天の川銀河モデルの変化のシナリオに基づく数値シミュレーションを行いました。その結果、太陽系が生まれた場所に1万個の星があったと仮定したとき、そのうちの約100個が現在の場所に到達できたのです。つまり、およそ1%の確率で現在の場所へたどり着けることが示されました。
二つの移動経路が導く
生命環境への影響
この太陽系の移動経路には、大きく二つの可能性があります。一つは内側に長く留まってから外側へ移動した経路で、もう一つは誕生直後から外側へ移動し始めた経路です。この二つはスタートとゴールは同じですが、その過程で大きく異なる歴史を刻むはずで、その違いは地球環境や生命の安全性に直結します。
この軌道のどのタイミングで生命が生まれたのか、それは非常に興味深い問いですが、現段階でははっきりわかっていません。ただ、太陽系が長く内側に留まっていたとすれば、そこでは頻発する超新星爆発によって強い放射線が降り注ぎ、生命にとっては過酷な環境となります。一方、早い段階で外側へ移動していたとすれば、比較的安全な環境で生命の進化が進んだと推測されます。
これまで、太陽系は生命の存在に適した条件を絶妙に満たした領域に生まれ、46億年そこに留まっているという「銀河ハビタブル(生命居住可能)領域」の考え方が主流でした。しかし今回の研究で、生命の存在は太陽系が内側から外側へ移動しながら経験する環境変化に大きく依存することがわかりました。これにより、「銀河ハビタブル軌道」という新しい概念が生まれたのです。これは、太陽系以外の惑星系についても当てはまります。
銀河天文学的アプローチで
惑星科学の新たな知見へ
もし、地球が銀河系内側の危険地帯に長くいた場合、彗星が地球の近くを通過する頻度も高まるので、彗星の成分が地球に多く運ばれていることになります。もしかしたらその成分の中に生命の源が含まれていたかもしれません。さらに、小惑星などの衝突も頻繁に起こるので、地球に多数のクレーターが残っているとも考えられます。つまり、地質学的な調査が太陽系の軌道の歴史を解明する鍵となるのです。今まで、地球惑星科学と銀河天文学は別々の分野で、スケールも異なるものでした。しかし今回の研究をきっかけに両分野が融合し、今後、新たな知見を切り拓いていくのではないかと期待しています。
- 研究のポイント
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- 人間の寿命では見ることができない天の川銀河の過去・未来を、物理法則に基づくコンピューターシミュレーションで予測する。
- 星の動きや元素組成の観測データを理論シミュレーションと組み合わせ、100億年にわたる天の川銀河の歴史を紐解く。
- 天の川銀河の構造と歴史の理解を通じて、私たちの太陽系がどのように生まれたのかを明らかにする。
馬場 淳一(ばば・じゅんいち) 特任准教授
2009年6月 東北大学大学院理学研究科天文学専攻 博士号取得。国立天文台、東京工業大学などで研究支援員、特任研究員、特任助教を経て、2023年4月より鹿児島大学天の川銀河研究センター 特任准教授。2023年10月より国立天文台とのクロスアポイントメント特任准教授。
■所属学会等:日本天文学会
■研究分野:我々の太陽系が属する「天の川銀河」を対象に、星の運動や元素の痕跡を「化石」のように読み解く銀河考古学とも呼ばれる研究を進めています。スーパーコンピューターを用いた大規模シミュレーションと最新の観測データを組み合わせ、天の川銀河の姿と進化を明らかにし、さらに、その進化と太陽系・系外惑星の形成を結びつける「銀河惑星学」という新しい学問分野の開拓にも挑戦しています。
共同研究者メッセージ
国立天文台
辻本 拓司(つじもと・たくじ) 助教
太陽系は銀河の中を何十億年もの間、旅を続けています。馬場先生は、この壮大な謎に「銀河シミュレーション」と呼ばれる手法で挑む、日本を代表する天文学者です。私は2018年頃から先生と共同研究を続けてきました。太陽系が移動することで変化する周囲の環境は、「生命の誕生・進化」と深く結びついています。なぜ地球に生命が誕生したのか?馬場先生はその答えを銀河という壮大なスケールから私たちに示してくれるかもしれません。さらに、太陽系だけでなく、系外惑星の「居住性」の謎にも挑むとのこと。今後のご活躍に大いに期待しています。
積み重ねた日々が
今の私を支えている
女子バレーボール部に所属し、練習と試合に明け暮れた4年間。部活動が生活の中心でしたが、その中で得たものは大きかったと言います。「練習メニューは自分たちで組み立てていました。どうすればチームが前に進めるかを考え、状況に応じて柔軟に動く力が自然と身につきました」。一つの方法に固執せず、先を見据えて行動する習慣は、今の仕事にも生きています。また仲間との関わりを通して、伝える力・聞く力も培われました。部活動以外では、潜水士や秘書検定などの資格取得にも挑戦。「今できることは後回しにしない」という姿勢で、未来への準備を重ねてきました。消防士を志すきっかけになったのは、大学3年の水泳の授業。友人がおぼれた際、率先して心臓マッサージと人工呼吸を行い、緊迫した状況でも行動できた経験が、自分の進む道をはっきりさせてくれたと振り返ります。
現在は消防局で主任として勤務。上席が不在の時には現場を任され、臨機応変な判断と指示が求められる立場にあります。「救助者の命だけでなく、仲間の安全も守らなければならない責任はとても重いです」。さらに、後輩の育成にも力を注ぎ、成長する姿を見ることが何よりの喜びだと話します。「将来は、消防学校で教官としての経験も積みたい。教育学部で学んだことが、きっと役立つはずです」。最後に、鹿大生へのメッセージを尋ねると、「がむしゃらに取り組んだ経験は、後から振り返った時に、一本の道としてつながっていることに気づきます。何をやるにも全力で楽しんでください」と語ってくれました。
長崎大学・宮崎大学との2大学間連携協定調印式を挙行
7月9日、長崎大学テクノロジーイノベーションキャンパスNUTIC(長崎市)において、鹿児島大学、長崎大学、宮崎大学の3大学による、「西南九州地区大学間連携協定」の調印式を挙行しました。
本協定は、長崎大学を主幹大学とする地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)におけるさまざまな取り組みについて、3者が相互に連携、協力することで、プラネタリーヘルスの実現を牽引することを目的に締結したものです。
調印式には、各大学の学長をはじめとする関係者が出席しました。はじめに、永安武長崎大学長から、本協定の目的や連携・協力事項、大学間連携推進本部を置くことについて説明があり、「長崎大学、宮崎大学、鹿児島大学で3大学連携体制を構築し、相互の強みを融合させることで総合的な研究力強化を図っていく」と述べました。
続いて、鮫島浩宮崎大学長、井戸章雄鹿児島大学長からあいさつがあり、井戸学長は「互いの特色を活かし、さらに高め合い、足りないものを補いたい。3大学の連携が密になり、さまざまな領域の研究者同士が連携・融合することで、新しいものが生まれることを期待したい」と連携への期待を述べました。
調印式終了後、引き続き、第1回西南九州地区大学間連携推進本部会議も開催しました。
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あべ俊子文部科学大臣が鹿児島大学を視察
双方向遠隔講義システムについて説明を受けるあべ大臣 6月30日、あべ俊子文部科学大臣が鹿児島大学を視察されました。
あべ大臣は、初めに井戸章雄学長から鹿児島大学における産業人材育成の取り組みについて説明を受けられました。その後、現在本学と連携した取り組みを検討している株式会社新日本科学永田良一代表取締役、熊本大学執行部(オンライン参加)および本学共同獣医学部執行部を交えた意見交換が行われました。あべ大臣からは、産業界と伴走した連携方策および国立大学の在り方について、さまざまなご意見をいただきました。
意見交換後は、共同獣医学部施設へ移動し、「双方向遠隔講義システム」を使って、実際に鹿児島大学から山口大学へ配信している授業の様子を視察されました。
最後に、双方向遠隔講義システムを使い、本学の畜産獣医学人材育成事業の特徴的取り組みである「南九州畜産獣医学拠点(通称:SKLV(スクラブ))」の講義室(鹿児島県曽於市)に接続し、同システムの説明や実習現場の様子を視察されました。
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宮崎大学との包括連携協定締結式を挙行
鹿児島大学は8月7日、宮崎大学との包括連携協定の締結式を挙行しました。
この協定は、両大学がそれぞれの強みや特色を生かしながら、教育・研究・地域貢献などの分野で広く連携し、教育および研究の質の向上を図るとともに、社会の発展と人材育成に寄与することを目的としています。締結式には、鹿児島大学の井戸章雄学長、宮崎大学の鮫島浩学長をはじめ、両大学の関係者が出席。両学長による協定書への署名が行われ、協定の締結が正式に成立すると、会場は大きな拍手に包まれました。
井戸学長は「本協定は、両大学がこれまで培ってきた信頼と実績を基盤に、より組織的かつ持続的な連携を築く大きな一歩。教職員・学生の交流や共同研究、地域課題の解決に向けた取り組みが一層活性化されることが期待される。両大学が協力し合い、南九州地域の発展に寄与するとともに、国際社会にも貢献できる人材の育成に努めてまいりたい」と述べました。
本学はこれまでに自治体等と20件の同協定を締結し、地域とともに社会の発展に貢献してきましたが、国立大学法人との協定締結は今回が初めてとなります。
今後も「進取の精神で、地域と世界の未来に挑む教育研究拠点」となることを目指してまいります。
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令和6年度ベストティーチャー賞授賞式を開催
8月8日、令和6年度鹿児島大学ベストティーチャー賞授賞式を開催しました。
同賞は、教員の意欲向上と大学教育の活性化を図ることを目的とし、教育実践に顕著な成果をあげた本学教員の功績を表彰するものです。平成30年度に始まり、第7回目となる今年度は、各部局等から推薦された教員の中から、ベストティーチャー賞最優秀賞に2名、ベストティーチャー賞に5名の教員が選出されました。
授賞式では、井戸章雄学長が受賞者に向けて、「先生方は学生の自主的な学びを促すために、熱意を持って取り組み、学生の学習意欲を高めるなど、本学の教育活動に大いに貢献いただいた。その実践に対する感謝の意を表するとともに、今後もより一層、教育および研究の成果を、学生のみならず社会に還元すべく鋭意取り組んでほしい」とお祝いの言葉を贈るとともに、表彰状および目録を贈呈しました。
最後に、記念撮影を行い、和やかな雰囲気のうちに閉式しました。
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学生広報サポーター任命式を開催
広報センターでは、10月16日、学生広報サポーター任命式を開催しました。
当日は、学生広報サポーター21名のうち13名が出席しました。
はじめに、広報センター長である松田忠大学長補佐(広報担当)からあいさつがあり、「地域の方々に、学生が行っている活動や先生方の研究内容を、学生の視点で発信してほしい」と期待を寄せました。また、情報発信を担う上で求められるコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力の向上にも励んでほしいとのメッセージを伝えました。
次に、出席したサポーターひとりひとりに任命証を授与し、最後は全員で記念撮影を行いました。
任命式終了後は、引き続き鹿児島放送(KKB)から講師2名をお招きし、動画制作に関する勉強会を実施。動画制作の基本を学びました。
学生広報サポーターは、教職員と連携しながら、広報誌や大学公式グッズの作成、イベントでの広報活動への協力など、さまざまな形で本学の魅力発信を担うボランティアです。学生ならではの視点で本学の魅力を多くの方々に届けていくことが期待されます。
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附属練習船「かごしま丸」の出航式を開催
水産学部では、8月20日、鹿児島港谷山一区岸壁において、鹿児島大学水産学部附属練習船「かごしま丸」の出航式を開催しました。
今回の航海は、水産学部学生の実習として中西部太平洋で実施される29日間にわたる長期遠洋航海です。航海実習、海洋観測実習、マグロはえ縄漁業実習のほか、外国寄港地のパラオ共和国における水産関連機関等との交流や学術教育研究、水産事情調査などを行います。
出航式では、井戸章雄学長から「本航海に参加する学生の十分な成果に期待し、航海の安全と無事に帰港することを祈念する」との壮行あいさつがありました。続いて、西隆一郎水産学部長、幅野明正かごしま丸船長らのあいさつがあり、最後に学生代表の岡谷緩汰さんが抱負を交えたあいさつを行いました。
家族や多くの友人をはじめとする関係者が盛大に見送る中、中西部太平洋海域に向けて出航した「かごしま丸」は、パラオ共和国に寄港し、9月17日に鹿児島港への帰港を予定しています。
文部科学大臣による令和6事業年度財務諸表の承認
国立大学法人は、国から負託された業務の実施に関して財務情報に基づく財政状態や運営状況に関する説明責任を果たすため、財務諸表を作成し公表することとされており、令和6事業年度財務諸表が令和7年8月29日付けで文部科学大臣から承認を受けました。
令和6事業年度の財政状態は、資産が1,569億円、負債が586億円、純資産が983億円となっており、運営状況は当期総損失で▲675億円となっております。損失の主な要因は、病院再開発に伴う旧医科診療棟の廃止決定による減損損失を計上したことによるものです。なお、当期総損失分は過年度に計上した利益剰余金(積立金)で埋め合わせる処理を行います。詳細は、本学ホームページに財務諸表および分かりやすく表記した「財務諸表の概説」等を掲載しております。
業務の効率化等による経費節減や自己収入等の増加を図るなど、より一層の財政基盤の強化を進めていくとともに、教育・研究・診療・社会貢献活動等の更なる充実・向上に努めてまいります。
株式会社 ハイパーソフト
- 貴社の業務やSDGsへの取り組みなどについて教えてください
- 当社は鹿児島を起点に、全国の美容・医療業界で利用されるシステムやセルフレジを自社開発しています。感動と創造性を大切にした価値ある技術とサービスを提供し、働きやすさと働きがいを感じられる職場環境づくりに取り組んでいます。
- 本学の学生に向けて応援メッセージをお願いします!
- 鹿児島大学で培う学びや経験、友人との思い出は、皆さんのこれからの人生を支える大切な財産となります。自分らしさや自分の好きなことを大切にしながら、さまざまなことに挑戦し、一歩一歩未来に向かって進んでいってください。
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今後のよりよい誌面作りのため、皆様からのご意見・ご感想をお寄せください。アンケートにご協力いただいた方の中から抽選で5名様に『鹿児島大学オリジナルグッズ』をプレゼントします。

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鹿大「進取の精神」支援基金へのご寄附のお願い
鹿大「進取の精神」支援基金は、2015(平成27)年の一般資金創設から、趣旨にご賛同いただいた多くの皆様方からご支援をいただき、現在では、修学支援事業基金や学部等支援基金*などの特定資金を加え、本学の教育・研究活動充実のため、大切に活用させていただいております。一般資金には、ご不要となりました本などの物品をご提供いただき、その査定金額をご寄附いただくリサイクル募金もございます。皆様からのご支援をお待ちしております。
【お問い合わせ先】
鹿児島大学総務部総務課広報・渉外室基金・渉外係
TEL:099-285-3101
*学部等支援基金:歯学部・鹿児島大学病院・練習船・医学部学科教育・教育学部附属学校園・動物病院・工学部教育研究支援基金・SKLVセンター基金・農学部基金
鹿児島大学法文学部 3年西原 来海さん
1番嫌いだった英語が今では1番好きな科目に
今年から本場大島紬クイーンとしても活躍中
英会話サークル「E.S.S.」の主将を務める西原さんは、普段から留学生とのコミュニケーションや国際交流を積極的に行っています。そんな彼女ですが、元々英語は大の苦手だったそう。「何気なく始めた英会話アプリをきっかけに、だんだん海外の方と話すのが楽しくなりました」。気付けば1番好きな科目になり、1年生の時には「E.S.S.」に入部。現在は英語コミュニケーションを専攻しています。
また、西原さんには「2025年本場大島紬クイーン」という一面も。応募のきっかけは、祖母から叔母へ引き継がれた大島紬。10歳の頃に見たその光景が記憶に残っていて、伝統を繋いでいくことの素晴らしさに感動を覚えたのだそう。「今年から2年間活動します。学業や就職活動との両立は大変ですが、充実した日々を送っています」。これからさまざまな場面で大島紬の魅力をPRする彼女の姿を見かける機会が増えるかもしれませんね。
「将来の夢はアナウンサー」。2025年4月に開催された「HOME COMING DAY 2025×鹿児島大学同窓会連合会20周年記念事業」では、大勢の前で司会を務めるという大役を果たしました。「本当に貴重な機会をいただきました。緊張もしましたが、うれしさの方が上回ってましたね。将来は見ている人の気持ちに寄り添えるアナウンサーになりたいです」。
私の座右の銘
次に叩く1回で、その壁は破れるかもしれない
ある方の日めくりカレンダーに書かれている言葉なのですが「高い壁を乗り越えられるかどうかは自分次第」という言葉がすごく心に刺さりました。何かに挑戦する時とか、覚悟や決意を固める時も自分を信じて進みたいと思います。
音楽で繋がる! 学部・学年を越えた絆
- 吹奏楽とは?
- 管楽器を主体とし、さらに打楽器、弦楽器で構成される音楽です。管楽器には唇を振動させ音を出す金管楽器とリードなどを用いて音を出す木管楽器があります。
- 吹奏楽団の魅力は?
- 皆で一つの音楽をつくり上げることです。出身地や学科、音楽経験の様々な団員が所属しており、互いに支え合って演奏します。真摯に楽しく音楽に向き合っています。
- 活動内容について教えてください。
- 個人やパートでの練習で技術を磨き、合奏では他の楽器とのバランスや吹き方の統一など細部にこだわり、曲を完成させます。聴く人も楽しめる演奏を目指しています。
DATA ※2025年9/10 時点
- 部員数
- 95名[男37名・女58名]
- 活動場所
- 大学会館4階ホール
- 活動日時
- 月・水・金 18:00~20:30
土 10:00~12:30
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