CONTENTS
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特集
「進取の精神」で持続可能な社会づくりを推進 鹿児島大学・SDGsへの取り組み
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学びの部屋 ~誌上講義室~
各国の文化の違いを楽しむ
グローバルセンター外国人留学生部門
和田 礼子 教授 -
Research&Contribution ~鹿大の研究~理工学研究科 理学専攻化学プログラム
加藤 太一郎 准教授
医歯学域歯学系 医歯学総合研究科
比嘉 憂理奈 助教 -
OBOG interview ~卒業生メッセージ~鹿児島国際大学 福祉社会学部
児童学科 教授
中村 ますみ さん -
KADAI TODAY
南九州畜産獣医学拠点開設記念式典を挙行
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鹿大トピックス
「鹿児島ロケット5号機 霧島レイ号」打ち上げ実験が成果を達成
鹿児島大学漕艇部OB会(碧漕会)がボート贈呈
ほか -
with KU ~パートナー企業紹介~株式会社 植村組
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Growing! ~鹿大生の横顔~鹿児島大学農学部4年
吉村 心 さん -
CircleFlix ~サークル紹介~準硬式野球部
今号の表紙「『鹿児島ロケット5号機 霧島レイ号』打ち上げ実験の様子」
2024年2月28日、鹿児島ハイブリットロケット研究会と肝付町の共催で行われた「鹿児島ロケット5号機 霧島レイ号」の打上げ実験。固体物質を燃料とし、安全性の高さが特徴のハイブリッドロケットが肝付町辺塚海岸の上空を勢いよく飛んでいきました。
はらぐちあつこ(イラストレーター)
鹿児島大学法文学部法政策学科卒。電力会社勤務を経て、桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン科修了。東京のデザインコンサルティング会社でVI・CIデザイン制作業務の他、歴史絵本制作にも携わる。2015年より峰岸達氏に師事。2020年より福岡市に移住し、フリーランスのイラストレーターとして活動中。
「進取の精神」で持続可能な
社会づくりを推進
鹿児島大学・SDGsへの取り組み
鹿児島大学では地域社会と連携し、持続可能な経済活動や環境保全活動、地域の課題に対する解決策を共に考える教育プログラムや研究プロジェクトを積極的に推進しています。南九州の「知(地)の拠点」として貢献できるSDGsとは。未来の社会づくりを目指し、本学で行われている社会人講座、出前授業、学生実習の3つの取り組みを紹介します。
本格焼酎の魅力を伝えるスペシャリストを育成
焼酎を通じて鹿児島を盛り上げる社会人講座
「焼酎マイスター養成コース」
「焼酎マイスター養成コース」
鹿児島の蒸留酒として県民に親しまれている焼酎。その奥深い世界を製造方法から文化、歴史、マーケティングまで体系的に学ぶ「焼酎マイスター養成コース」では、焼酎の魅力を正しく発信できる人材の育成を目指しています。修了生たちは地域振興や国際交流の担い手として活躍しつつあり、年々、受講希望者が増加している人気プログラムです。
産官学が連携して焼酎の「語り部」を育てる
近年、巷には焼酎に関するさまざまな情報が飛び交ってます。しかし、中には間違った情報も散見され、焼酎について正しい知識を持ち、広く発信できる人材が求められています。そんな中、「かごしまルネッサンスアカデミー」の一環として「焼酎マイスター養成コース」が平成23年度に立ち上げられました。
これは、焼酎の「語り部」の育成を目的とした学校教育法に基づく教育プログラムで、講義内容として「焼酎学の基礎」「焼酎製造の実際」「焼酎の商品知識」「焼酎文化論」「焼酎マーケテイング」「焼酎検定」の6つの科目を設定。本学農学部附属焼酎・発酵学教育研究センターと、鹿児島県、鹿児島県酒造組合、およびSSI(日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会)との連携により、焼酎について多岐に渡る知識を学ぶことができます。焼酎を通じて鹿児島の文化を多くの方に知っていただき、鹿児島全体を盛り上げていくことも大きな趣旨の一つであり、焼酎の作り手や売り手の方だけではなく、広く一般の方々を対象にしています。
焼酎を体系的に学ぶ充実のカリキュラム
講義では、まず最初に麹菌と酵母の2種類の微生物が焼酎づくりにどのように関わっているのか、その役割を学びます。基礎的内容ではありますが、原料となるサツマイモの品種や製造方法の違いによって味や香りがどう変化するのかという、大学の学生が学ぶようなレベルのものもしっかりと理解していただきます。その上で、実際の焼酎メーカーの現場を見学する製造研修を行います。
「焼酎の商品知識」の講義では、蒸留と醸造の違いや、ワインやウイスキーなどと比較しながら、焼酎の独自性に迫っていきます。例えば、同じ米を原料にしても、蒸留と醸造の違いで米焼酎と清酒という異なるお酒になります。どちらも料理とともに楽しむ「食中酒」ですが、世界の蒸留酒は基本的に「食後酒」であり、食中酒となる蒸留酒は焼酎だけなのです。こういった焼酎の独自性を知ることで、焼酎について語れるようになるのではないでしょうか。
では、どんな料理と相性が良いのか、実際につまみを用意して芋焼酎や黒糖焼酎と飲み比べてみたり、唎酒表現を学んだりする時間もあります。この講義を経て、飲食店の方がお客さんに焼酎を提供する際に、「この焼酎はこういったタイプなので、この料理と合います」と自信を持って言えるようになりますし、一般の方でも、焼酎の楽しみ方を伝えられるようになります。
さらに、増加する外国人観光客にも焼酎を広めたいということから、コマ数はわずかですが外国語を学ぶ講義も用意しています。韓国語や中国語で焼酎のちょっとした特性を片言ででも伝えられれば、「お土産に買ってみようかな」と思ってもらえるかもしれませんし、焼酎を一つのツールにしたささやかな国際交流が鹿児島への再訪のきっかけになるかもしれません。
例年2月に募集開始 海外からの受講生も
「焼酎マイスター養成コース」の修了要件を満たした方には履修証明書が交付されます。また、鹿児島県酒造組合から「焼酎マイスター認定書」が授与され、SSIからは「焼酎ナビゲーター」が申請(別途登録費必要)により授与され、「焼酎唎酒師」は受講料が半額免除されます。
例年、2月に受講者を募集し、受講期間は5月から翌1月までの約8カ月です。スタート時点では30名だった定員も好評につき現在は50名に増員され、これまでに492人の焼酎マイスターが誕生しました。コロナ禍を経てオンラインでの受講も可能になり、今では、東京や大阪のほか、台湾やアメリカといった海外の方も受講しています。
開講当初、焼酎業界や飲食店など焼酎関連の仕事を持たない焼酎マイスターの方々は、せっかくの学びを生かす場が少なかったのですが、修了生たちが自発的にNPO法人「焼酎マイスターズクラブ」を立ち上げ、今年7年目を迎えます。このクラブでは、定期的な勉強会の開催や、鹿児島県酒造組合が主催する焼酎イベントでの焼酎PR活動などを行っています。焼酎の知識を得て役立てるだけでなく、同期生同士の横のつながりや先輩後輩の縦のつながりが生まれ、交流が深まっていくことも、マイスターズクラブの楽しみの一つかもしれません。今後、焼酎マイスターズクラブの方々が語り部としての活躍の場を広げていくことを期待しています。
生き物の多様性への理解が
理系学問の可能性を広げていく
海洋生物の不思議を紹介する出前授業「ダイオウイカを知ろう!」
理系学問の可能性を広げていく
無脊椎動物の進化の頂点に立つといわれているイカは、人類とは別の進化の道を進んできました。しかし、その神経システムは驚くほど私たち人間と共通しています。世界最大の無脊椎動物ダイオウイカのサイエンスドキュメンタリー映画が伝える進化の謎と生き物の多様性とは。イカの研究から見えてくる理系学問の新たな可能性を出前授業で問いかけます。
イカと人の共通点に見る進化の不思議
大きな脳やヒトの眼によく似た構造のレンズ眼など発達した神経系を持つイカは、無脊椎動物の中でも最も進化した動物であるといわれています。進化の歴史の中では遠く離れたイカと私たち人間ですが、不思議なことに共通の仕組みがかなり存在しているのです。そのため、ヒトの神経生理学はイカの神経を実験材料として研究が行われてきました。イカの進化の過程を知ることは、逆に言うと我々を知るということでもあります。
2019年に完成した「巨大生物 進化の謎 〜ダイオウイカ大解剖〜」は、ダイオウイカ研究の第一人者である国立科学博物館の窪寺恒美博士の監修のもと制作されたサイエンスドキュメンタリー映画で、私も企画段階から参加、出演しています。漁師やダイバーの方々への取材を積み重ねて撮影に成功したダイオウイカの泳ぐ姿や、国立科学博物館に冷凍保存されていたダイオウイカの解剖実験の様子が収められています。この解剖実験にあたっては、神経外科医を中心とする解剖チームと生物学者が丁寧に神経節抽出や血液採取を行い、採取した血液は私の研究室で保管研究しています。
この映画では、ダイオウイカを単に奇異な生物として紹介するのではなく、世界最大級の無脊椎動物ダイオウイカが選んだ進化の選択にどのような意味があるのかという「進化の謎」を考え、人類に役に立つ未知の可能性を伝えています。
イカの青い血が抗がん治療を変える
イカは飼育が非常に難しい生物で、養殖イカに成功したらノーベル賞級と言われています。水族館などで展示されているイカも長くて数週間で死んでしまいます。過去の都市エリア産学官連携促進事業(文科省)において、函館地域の重要な観光資源であるイカのブランド力強化と高度利用を目的とした研究が行われましたが、イカの人工飼育には成功しませんでした。その当時、旭川医大の生化学の助教であり、水産学博士の日本女性第一号である私は、イカの人工飼育ができない理由について、医学と水産学の両面からの解明を試みる中で、イカの健康状態を知るには、血液検査が一番効果的だということに気づきました。
イカの血は真っ青ですが、この青い血の成分はヘモシアニンというタンパク質です。赤い血は、鉄と酸素が結びついたヘモグロビンの色で、ヘモシアニンは銅と酸素が結びついて青色になります。タンパク質の中でも最大分子の一つにあげられるヘモシアニンは、医薬品応用が期待されています。例えば、抗体作製時のキャリアタンパク質に使用され、最近では免疫賦活剤や抗がん治療併用剤として応用されています。このように古くから知られるヘモシアニンですが、その分子構造は長らく謎となっていました。そこで、国内外の研究者とタッグを組んでこの分子構造解析に取り組み、2015年に世界初の結晶構造解析、2019年にクライオ電顕による分子構造解明に成功しました。現在はこの青い血の生理機能特性の研究を進めています。
映画「ダイオウイカ大解剖」では、私がイカの青い血とヘモシアニンの抗がん治療への応用についてコメントしています。
生き物の多様性から学問の可能性を探る
私は応用研究と基礎研究の双方を並行して進めています。活イカの健康診断のためにイカの青い血液の研究を始めましたが、この研究成果は食品学、水産学、生物学、医学などさまざまな学問につながっていきます。たとえば、イカが健康を保つことはイカの飼育上、言い換えると水産学および生物学上重要ですが、それに加えて、健康なイカから造ったお刺身は不健康なイカのお刺身よりも旨味成分が多いことを示す科学データを得ています。つまり、イカの健康をチェックすることは動物福祉の観点からも推奨されますし、おいしいイカを食べたい私たち人間にとっても有益です。また、イカの健康チェックの結果を活イカの輸送や生簀の管理にも役立てることができるのです。
「ダイオウイカ大解剖」は、2020年に科学技術映像祭における教育・教養部門で優秀賞を受賞しました。本学水産学部やかごしま水族館での上映会やトークショーを行っていたこともあり、出前授業の提供科目にしたところ、鹿児島県内の各地から上映の要望をいただきました。授業の反応も非常に良かったと感じています。この映画をきっかけに、地球の生き物の多様性を理解し、理系の学問を志す方が増えてくれることを願っています。
離島へき地医療実習で学ぶ
地域医療の現状と将来像
未来の地域医療を守る、鹿児島県内の離島へき地における学生実習
地域医療の現状と将来像
高齢化と人口減少が進み、地理的な課題にも直面する離島へき地医療の現場では、病気の治療だけでなく総合的な生活支援の視点も必要です。医歯学総合研究科・離島へき地医療人育成センターでは地域に貢献できる人材育成を目指し、離島へき地実習を実施。地域での実践的な学びを経た学生たちは、将来の患者支援の理想的なあり方を自ら描いていきます。
地域医療に貢献できる人材育成を目指す
鹿児島県は28の有人離島を有し、約15万人がそこで暮らしています。鹿児島大学医学部では、2001年、世界で初めて離島医療学講座を始動させ、2007年には、離島へき地医療に貢献できる医療人の育成を目的とした「離島へき地医療人育成センター」を設置しました。その翌年、医師偏在を解消することを目的とした医学部入試の選抜枠「修学資金貸与制度(いわゆる地域枠)」制度を導入。本学の地域枠の学生は、卒業後9年間鹿児島県の地域医療に従事しなければなりません。
離島へき地実習は年に複数回、1週間から2週間単位で行っています。通常、医学部に入学した学生たちは4年間の座学の後、臨床実習が始まります。この実習の場は、多くが大学病院です。しかし、地域に患者さんが1000人いたと仮定したとき、その中で大学病院を利用する方は10人以下、1%にも満たないと言われています。つまり、大学病院の実習で経験できることは、地域医療のあくまで一部分でしかありません。
離島へき地に限らず、実際には多くの患者さんが大学病院以外の場所にいらっしゃいますが、そういった方々の状況は、こちらから地域に出ていかなければ見えてきません。ですから、地域枠の学生については特に、大学での実習に加えて離島へき地での実習や地域に関する講演会の頻度を高め、地域医療、地域生活への理解を深めてもらっています。また、一般の学生についても大学での実習を受けた後に必ず、さまざまな地域に出向いて実習する期間を設けています。離島へき地実習によって、学生たちが大学病院の中にいるだけでは経験できない患者さんとの関わり方や、地域医療のあり方を知ることには大きな意義があると考えています。
医学的な側面だけでなく社会的ケアの視点を学ぶ
高度医療機関が身近にある都市部と違い、離島やへき地などの地域では、例えば、重症の患者さんをドクターヘリや船を使って適切な医療につながなければならない場合があります。一方、大病ではないけれども家にいられないから入院しているというケースもあります。例えば一人暮らしの方、あるいは経済的な理由など、医師が一人で解決するのは難しい社会的な問題を抱えている患者さんがいらっしゃいます。そこでは、医学的な治療だけではなく社会的な側面に配慮した医療が必要になってくるということに、学生たちは実習を通して気づいていきます。
患者さんが抱える社会的な問題を解決することは非常に難しいことですが、医師一人で関わるのではなく、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚療法士、セラピスト、薬剤師、社会福祉士などのコメディカルスタッフ、介護的な面を支援する訪問介護士やケアマネージャー、さらには地域の民生委員やNPO団体といった支援をしてくれる方々と連携し、患者さんが地域でより良く過ごせる体制を模索しようという試みが、離島などの地域では学生にとって経験しやすい素地があります。そういった多職種連携による医療のあり方や、退院後の患者さんの生活を実際に学生たちが見ることで、患者さんの社会的な問題点も含めた総合的なケアについて考えるきっかけになるのではないかと期待しています。
大学病院であれば、病気を治したいという患者さんが来られるので、「きちんと検査して診断をつけ、治療をしっかりやっていく」ということが求められます。もちろん、それは大学病院の使命であり、学生が医学を学ぶ上で必須のことなのですが、地域医療の場では、そのような患者さんだけではありません。あまり無理な治療はしたくないという高齢の患者さんもいらっしゃいますし、規模の大きくない診療所でどこまで精密な検査をやるべきなのかのバランス感覚も必要です。そういったことも実習に行って初めてわかることも多いと考えています。
住民との交流で育まれる次世代の医療人材像
離島へき地実習のカリキュラムでは、診療の実践、地域の医療スタッフとの対話を行うほか、地域住民と一緒に健康体操をしたり、地元の高校生や子どもたちと交流する時間を設けています。そうした交流を通して、その地域でどんな人たちが、どんな生活をしているのかを学生たちが理解し、地域に根ざした医療とはどういうものなのかを自分自身の言葉で言語化していくことが大切です。
多くの地域で人口減少が進む中、先進医療に頼るだけでは十分とはいえない時代が到来しています。学生の皆さんには、地域の患者さんが質の高い生活を送るために自分たちができることは何かを考えていただき、将来自分が医師となったとき、実習で得た学びを地域に還元していってほしいと願っています。
「Study Japan Program」/
グローバルセンター外国人留学生部門 和田 礼子 教授
各国の文化の違いを楽しむ
鹿児島大学には、現在368名の留学生がおり、グローバルセンターの「Study Japan Program」では、さまざまな国から来た留学生が、「多文化」という環境の中で日本語を学んでいる。今回訪れたクラスでは、6か国から集まった留学生たちが日本語の文章を読み、そのテーマに沿って自国の文化を紹介し合っていた。
レベル別に分かれて
日本語を学ぶ
「今日の気温は28度、昨日より涼しいですね。カンボジアは、今の時期何度ぐらいになりますか」。留学生たちと各国の気温についての和やかな談笑から「Study Japan Program(以下SJP)」の講義が始まった。「奄美地方が梅雨入りしました。『梅雨』は読めますか」との和田先生の問いかけにうなずく留学生たち。SJPは日本語レベル初級から上級まで7つのレベルに分けて実施されていて、このクラスはレベル4読解。カンボジア、マレーシア、インドネシア、ベトナム、韓国、フランスなど世界各地から集まった学生たちが、日本語の書き言葉で使われる文法や語彙を理解していく。今日の学習項目は「受身(受動態)」の表現だ。
自国の文化を紹介し合うグループアクティビティ
胃カメラ、乾電池、インスタントコーヒーなど、日本人による発明品を紹介するテキストの文章を音読しながら、単語の読みと意味を確認していく和田先生。同時に「胃カメラを『飲む』」、「特許を『取る』」という、同時に使われる頻度の高い語の組み合わせ(コロケーション)にも注意を促す。
「カラオケやインスタントラーメンも日本人によって発明されました。皆さんの国でも、カラオケを利用していますか」。3人ずつのグループに分かれた学生たちは、「フランスでもカラオケは人気」「韓国のカラオケは1曲から利用できる」と、それぞれ母国でのカラオケ事情を紹介し合い、「インドネシアでは日本のお茶漬けを作ります」「炊飯器でポップコーンも作りますよ」と、各国の料理の話に花を咲かせていく。
このクラスの学生は、一年前からSJPで日本語を学んでいる大学院生や、自国の大学で日本語を専攻する交換留学生、研究生などだ。フランスの大学で三年間日本語を学んだというクラリスさんは、「日本語の語順はフランス語と反対なので難しく感じますが、いろいろな国の人たちとのグループアクティビティはとても面白いです。将来のことはまだわかりませんが、また日本に戻ってきたいと思っています」と流暢な日本語で感想を述べてくれた。SJPでは、初級か中級か、会話の授業なのか読解の授業なのかで、教授スタイルを変えている。また多国籍のクラスでは、学生の母語によって習得が難しいと感じるポイントが違う。さらに、研究生と短期留学生では日本語を学ぶ目的も異なるため、和田先生は一人一人の習熟度やニーズを把握し、必要なポイントを個別に伝えるよう心がけているという。
多国籍な環境が異文化理解を深める
「語学とは教えられて身に付くものではなく、自分でどれだけ飽きずに訓練できるかが大事。とは言っても、何度も一人で練習するには強いモチベーションが必要です。なので、講義の中で少なくとも10回は音読するようにしています」。同じ文章を飽きずに音読させるために、最初は全員で一緒にテキストを見ながら、次はペアで、最終的には文字を見ずに音を聞きながらシャドーイング、といった具合にバリエーションを変えて読んでもらっている。韓国からの交換留学生イ・ユジンさんは、「何度もテキストをリピートして声に出すから練習になります。最初はテキストを見ながらでないと読めなかった文章が、講義の終わりには文字を見なくてもシャドーイングできるようになります」と音読の効果を語る。
異文化への理解を深めることもこのプログラムの目的の一つだ。「異文化に接した時に、興味を持ち、面白がる姿勢があるといいですね。このクラスの学生たちも、隣にいる友人と接しながら違う文化を知っていきます。同国人で固まっている時には見えなかったことが見えてきて、考え方が柔軟になっていく。それは教えられるものではなく、この環境にいることで身に付くことなのかもしれません」
生命が利用する触媒「酵素タンパク質」の可能性を引き出す!
〜世界初となるゲンジホタルの全ゲノム解読とナイロン資源循環システムの構築〜
加藤 太一郎 准教授
理工学研究科 理学専攻 化学プログラム
生命現象を有機化学的な
視点から解析する
私たちは化学物質に囲まれて日常生活を送っていますが、それらの内、特に炭素を主とする化学物質を対象とした学問が有機化学です。実は、生き物が生命活動を行うときにもたくさんの有機化学反応が体内で進行しています。生命というと神秘的で特別なことが起きていると考えがちですが、実際には試験管の中と同じ反応が起こっていることを大学で学び感動を覚えると共に、研究者として生命を有機化学的な視点から解析したいと考えるようになりました。
生命の化学反応では、多くの場合酵素タンパク質が関わります。酵素タンパク質は化学反応を効率的に進める触媒として機能します。例えば、人間が有機化学の手法を用いて光学活性体(構造式は同じだが立体的に重ね合わせられない異性体)を作成することはそう簡単ではありません。しかし生命は、酵素タンパク質を使ってそれらをいとも簡単に作り分けることができます。このように私たちは、生命現象から面白い性質を持つ酵素タンパク質を発見し、それに手を加えることでその能力を最大限にまで引き出し、活用する研究を行っています。無数にある酵素タンパク質の中で、最近、特に力を入れて研究しているのが、ホタル由来の酵素とナイロン分解酵素です。
ホタルの発光周期制御の
仕組みに迫る
タンパク質は多数のアミノ酸がつながって構成される高分子化合物で、オブジェのように美しい3次元立体構造をとります。ホタルの発光反応を触媒するホタルルシフェラーゼは550個ほどのアミノ酸から構成されますが、その中のたった一つを変えるだけでも黄緑の光が赤やオレンジに変わります。これだけでも面白いですが、ホタルの光には未だ解明されていない謎がたくさん隠されています。例えば発光周期。私たちはその理由を明らかにするためにゲンジボタルの設計図、つまり全ゲノムを解読しました。
ゲンジボタルには、発光周期が4秒の東日本型、2秒の西日本型、1秒の五島列島型がいます。見た目は同じなのに光り方が違うということは、ホタル体内で進行する化学反応経路のどこかに違いがあるはずです。ゲノム配列を読み、どんな酵素タンパク質が発光反応に関わっているのかを解明していけば、その違いも分かってくると考えています。
このように発光周期が異なるゲンジホタルですが、本来の生育地から別の場所に人為的に移動させてしまうと、遺伝子撹乱を生じる懸念があります。そこで最近は、全ゲノムレベルにて各地域のゲンジボタルの遺伝的多様性を明らかにする取り組みも始めています。
廃棄されたナイロンを
酵素分解で再資源化する
ここ数年、海洋プラスチックゴミ問題などを通して社会全体の地球環境保護意識が高まり、それとともにこれまでゴミとして捨てられていたプラスチックの取り扱いにも変化の兆しが見られます。例えば、衣服等の繊維であるナイロンは石油から作られますが、現状は使用後に焼却し温室効果ガスとして捨ててしまうという大変もったいない使い方がなされています。そこで、使用後のナイロンを酵素タンパク質の力でもう一度原料に戻し、再利用する研究を始めました。その時に使っているのは、世界で我々のみ保有するオリジナルな酵素タンパク質、ナイロンハイドロラーゼです。この酵素タンパク質は1970年代には見つかっていたのですが、近年その価値が再評価されています。実用的なケミカルリサイクルの実現に向けて企業と共同研究を進めているところです。これらの研究活動を通して持続可能な資源循環システムを実現しSDGsに貢献できる産業基盤の創出を目指していきます。
- 研究のポイント
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- 生命の中から興味ある化学反応を触媒する酵素タンパク質を探索する
(自分のオリジナルを見つける段階、ここが一番楽しい!)。 - 酵素タンパク質が化学反応を触媒するからくりを解明すると共に、遺伝子組換え技術を駆使して酵素タンパク質の能力を最大限まで引き出す。
- 能力の引き出された酵素タンパク質を環境保全に役立てたり新たな産業の創出に利用したりすることで社会に還元する。
- 生命の中から興味ある化学反応を触媒する酵素タンパク質を探索する
加藤 太一郎(かとう・だいいちろう)准教授
2005年3月慶應義塾大学大学院理工学研究科・後期博士課程修了、博士(理学)取得。2005年4月日本学術振興会特別研究員PD(京都大学化学研究所)。2005年10月兵庫県立大学大学院工学研究科・助教。2014年10月鹿児島大学大学院理工学研究科・助教、2023年12月鹿児島大学大学院理工学研究科・准教授、現在に至る。
■所属学会等:生体触媒化学研究会、日本生物工学会、日本化学会、日本農芸化学会
■研究分野:専門は生物有機化学(生物化学+有機化学)です。「生命現象を有機化学反応式で記述する」をビジョンとして掲げ、たくさんの方に助けられながら酵素タンパク質の研究を進めています。
共同研究者メッセージ
鹿児島大学 南九州・南西諸島域イノベーションセンター長
藤枝 繁(ふじえだ・しげる)特任教授
加藤先生から、「リサイクルが難しいとされていたナイロンを分解・リサイクルできる技術があるが、社会実装は可能か」との相談を受けた日のことを今でも鮮明に覚えています。長年、実態調査と回収ボランティア活動を通じて海洋ごみ問題の解決に取り組んできた私ですが、研究者一人の力では人々の行動や社会の仕組みを変えることはできないと諦めていた時期でもありました。現在は、サプライチェーンを通じて海洋ごみ問題を解決する新たな仕組みを社会に構築するため、薩摩川内市でサーキュラーエコノミー実証事業に取り組んでいます。この技術の社会実装で世界が大きく変わることを期待しています。
リナロール香気が鎮痛効果を生み出す脳内神経機構の解明
〜リナロール香気誘発性鎮痛におけるオレキシン性下行性疼痛抑制系の関与を証明〜
比嘉 憂理奈 助教
医歯学総合研究科 歯科麻酔全身管理学
植物の香り成分に潜む
鎮痛効果を検証する
リナロールとは、ラベンダーやスズラン、ベルガモットなどに多く含まれている、フローラルな香りが特徴の成分です。古くから、この香り成分に鎮痛効果があるのではないかと言われていましたが、芳香療法は科学的知見に乏しく、民間療法の域を出ないという主張もありました。しかし、リナロールを嗅ぐことで確かに鎮痛効果が生じること、その際、視床下部のオレキシン神経が活性化しているということが先行研究で明らかになりました。この研究結果を踏まえ、今回の研究では脊髄に軸索投射しているオレキシン神経に着目し、その関与を検証しています。
リナロール香気の鎮痛効果を実証する実験では、マウスの尾をピンセットで摘む「機械性疼痛」、尾を47度のお湯につける「熱性疼痛」、尾にカプサイシンを投与する「化学性疼痛」の3つの刺激に対する反応で評価しています。これらの刺激を、香りのない空気を嗅がせたマウスと、リナロールを嗅がせたマウスに与えたとき、リナロールを嗅がせたマウスには疼痛行動(尾を振る、身をよじるなど)の抑制が認められました。この実験はリナロールを5分間嗅がせた後に行っており、一度嗅いだリナロールの鎮痛効果が香りのない状態でも持続していることがわかります。
鎮痛効果の持続時間は、機械性疼痛と熱性疼痛では嗅いでから約10分間、化学性疼痛では5分間と短時間ではありますが、特にカプサイシンによる刺激では嗅いでから5分間の疼痛行動が半減しており、鎮痛効果が顕著に現れています。
鎮痛効果に関与する
オレキシン受容体を特定
リナロール香気による鎮痛効果にはオレキシン神経が関与しています。オレキシン神経から産生されるオレキシンは、摂食、睡眠覚醒、循環調節、鎮痛など多様な自律神経調節に深い関わりを持ち、その受容体にもいくつかのタイプがあります。
どのオレキシン受容体がリナロール香気の鎮痛効果に関与しているのかは、オレキシン受容体の働きをブロックする拮抗薬(阻害剤)を用い、マウスの脊髄へ直接注射して検証しています。その結果、オレキシン1受容体(OX1R)を阻害するとリナロール香気による鎮痛効果が見られなくなったため、関与する受容体がOX1Rであると特定できました。免疫組織化学染色法の結果からも、OX1R拮抗薬によって神経細胞が不活性化することが確認され、リナロール香気による鎮痛効果はマウスの行動からも、神経細胞の活動からも証明されました。
研究を行う上では、例えばマウスの髄腔内投与の手技を習得するのにも時間はかかりますし、思うようなデータが出ないまま1年間が過ぎてしまうということも普通にありました。しかし、その都度条件を変えるなど試行錯誤を繰り返したことで結果につながったのだと思います。
処置の痛みを緩和する
新たな選択肢に
リナロール香気による鎮痛の利点は、服用や注射をする必要がないという点にあります。単に香りを嗅ぐだけで鎮痛効果が発揮されるので、比較的安全性の高い鎮痛と言えます。医療現場での活用が実現できれば、痛みを伴うけれども短時間で終わるような処置に応用できるようになるでしょう。具体的には、点滴をするときや歯科治療で歯茎に麻酔を注射するとき、事前にリナロールを嗅ぐことで針を刺す痛みが軽減されますし、注射を怖がる子どもの恐怖心を和らげることもできます。歯石除去などの小さな侵襲性の処置でも不快感を緩和できるのではないかと期待しています。
- 研究のポイント
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- リナロール香気に鎮痛効果があることをマウスの疼痛行動から再確認する。
- オレキシン受容体に注目し、拮抗薬を用いてリナロール香気誘発性鎮痛に関与しているのかを検証する。
- 臨床の現場で、短時間の処置や侵襲性の小さい処置などの痛みや不安の軽減に活用していく。
比嘉 憂理奈(ひが・ゆりな)助教
2015年3月鹿児島大学歯学部歯学科卒業。2015年4月鹿児島大学歯科総合診療部研修医。2016年4月鹿児島大学病院歯科麻酔全身管理学分野入局、鹿児島大学医歯学総合研究科先進治療科学専攻顎顔面機能再建学講座歯科麻酔先進管理学講座入学。2022年1月同、博士課程修了。現在に至る。
■所属学会等:日本生理学学会、日本歯科麻酔科学会、日本口腔顎顔 面痛学会
■研究キーワード:リナロール、自律神経活動
共同研究者メッセージ
医歯学総合研究科 統合分子生理学
柏谷 英樹(かしわだに・ひでき)講師
比嘉憂理奈先生は、歯科麻酔の多忙な臨床業務の合間を縫って粘り強く研究を続け、香気誘発性鎮痛の未解明な部分であった神経回路機構に関して多くの発見をしてきました。かなり難しい実験手技に関しても、自ら工夫を重ねて一つ一つクリアしていく姿は後輩たちのよいお手本となっています。今後とも香気誘発性鎮痛の歯科治療への臨床応用に向けて、一歩一歩確実に研究を進めていってくれると思います。
学生時代の経験と学びが
心の糧となり人生の財産になる
幼少期からピアノに親しみ、鹿児島大学教育学部で専攻。在学時から鹿児島オペラ協会の伴奏者などを経験、卒業後は演奏活動を経て、県内の公立中学校の音楽教師の道に進みました。その後、特別支援学級教諭となり、音楽療法学会認定の音楽療法士に。現在は鹿児島国際大学福祉社会学部児童学科で教授を務め、教員や保育士を養成しています。
初見での伴奏や第1回鹿児島新人演奏会の出演者代表など、任せられたことは何でもやってきた中村さん。講義以外の時間はピアノの練習に費やし、音大受験の家庭教師や、掛け持ちでピアノ伴奏の依頼を受けるなど、音楽漬けの日々を送りました。1日4時間以上の練習時間を確保するために単位は必要な分だけ取得、卒業要件単位ぴったりで卒業したというエピソードも。「思い描いた夢でも理想とした未来でもないけれど、断らず何でもやってきたことが結果として今につながっているのかな」と笑います。目の前のことを一生懸命こなし、ひたすら音楽と向き合った経験が人生の糧となり、支えになったと振り返ります。「今でも強く印象に残っているのは、校舎裏にあった通称〝ボックス〞と呼ばれる練習室での自主練。練習に疲れたら大学生協に行って、友人とたわいもない会話を楽しんだり、肩をもみ合いっこしたり。何気ない日常がかけがえのない思い出です」。後輩へのメッセージを伺うと、「どんなことでもいいので、学生時代に熱中できることを見つけて一心に取り組んでほしい。ひとつを究めれば視野が広がり、新しいことを始める起点にもなり得ます」とエールを送りました。
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「鹿児島ロケット5号機 霧島レイ号」打ち上げ実験が成果を達成
5号機発射の様子 鹿児島ハイブリットロケット研究会は、肝付町と共催で2月28日に肝付町辺塚海岸でハイブリッドロケット「鹿児島ロケット5号機霧島レイ号」の打ち上げ実験を行いました。発射予定時刻に合わせ、順調なカウントダウンの後、14時30分に発射されました。
打ち上げ後、通信経由で得られたデータの解析から、機体は設計通りに安定して飛翔し、2段階パラシュートも予定通りのタイミングで自動放出されました。これにより、打ち上げは成功と判断しました。今後、他のデータも解析いたします。
なお、打ち上げの様子はYouTubeで中継されました。応援してくださった皆さま、どうもありがとうございました。
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鹿児島大学漕艇部OB会(碧漕会)がボート贈呈
3月22日、鹿児島大学漕艇部OB会(碧漕会)会長の二石大介氏が学長室を訪れ、鹿児島大学漕艇部へのボート(ダブルスカル艇)1艘目録を佐野輝学長に贈呈しました。
その後、同部顧問の一谷勝之教授(農学部)や武隈晃理事・副学長(教育担当)、漕艇部OBでもある田頭吉一理事・副学長(財務・施設担当)を交えて、近年の漕艇部の活動状況などについて懇談がありました。
二石会長からは「昔の漕艇部は男子部員のみで、エイト(8人漕ぎ)が主流だったが、近年は女子部員も増加しており、また少子化の影響もあり小艇での活動が主流となっている。今回贈呈したボートでぜひ磯の海を楽しんでほしい」と励ましのお言葉も添えられました。
佐野学長は、「後輩を思ってこのような贈り物をくださる先輩がいらっしゃることが学生の励みになります」と謝辞を述べました。
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鹿児島大学病院アメニティ施設「さくらぴあ」竣工式を挙行しました
病院長挨拶 テープカットの様子 神事式の様子 鹿児島大学病院では、患者さんをはじめとした病院利用者へのサービス向上、大学関係者の福利厚生の充実、地域連携や教育研究の推進等を目的に、アメニティ施設の整備を進めて参りました。
このたび、令和5年4月より着工したアメニティ施設(施設名称「さくらぴあ」)が令和6年2月に竣工、4月1日にオープンすることを受け、3月27日に竣工式を挙行しました。
「人と人、病院と市民のつながりを生み出す施設」のコンセプトの下、初めて訪れた人にも分かりやすいエントランスを中心とした平面計画で設計されており、施設名称「さくらぴあ」にちなみ、桜をモチーフとした明るい色彩を基調とした建物となっています。
竣工式は、建築業者等の関係者出席の下、神事式が厳かに執り行われた後、佐野輝学長、井戸章雄理事・副学長(研究・情報担当)、田頭吉一理事・副学長(財務・施設担当)、坂本泰二病院長等によるテープカットが行われました。続いて、坂本病院長によるあいさつがあり、関係者の皆さまへの感謝と「さくらぴあ」が桜ヶ丘キャンパス全体のコミュニティの場として発展することを祈念する言葉にて閉式となりました。
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鹿児島県畜産業におけるGX推進及び産業振興に向けた連携協定を締結
4月2日、鹿児島大学共同獣医学部は、鹿児島県、味の素株式会社、県内畜産関係団体・事業者(8機関)、金融機関(2機関)と「鹿児島県畜産業におけるGX推進及び産業振興に向けた連携協定」を締結しました。
本協定は、栄養吸収率を高める飼料用アミノ酸を活用して、牛から排出される温室効果ガスの削減及び生産コストの低減・生産性の向上を図ることにより、鹿児島県畜産業におけるGXを推進するとともに、同産業の振興を図ることを目的としたもので、飼料用アミノ酸の給与試験の実施、試験結果の共有・発表及び普及促進、鹿児島県産牛肉・生乳等の付加価値向上による鹿児島県畜産業の振興等に取り組むものです。
鹿児島県庁で行われた締結式では、趣旨説明、各機関の代表者による協定書への署名に続き、塩田康一鹿児島県知事及び各機関代表者からあいさつがありました。遠藤泰之共同獣医学部長からは「本協定に参画できることを非常に光栄に思う。本学部には畜産学に関するエキスパートが多数在籍しており、試験の実施や結果の検証等の学術的なサポートで貢献していきたい」との意気込みが語られました。
今後、各機関がそれぞれの強みを活かし緊密に連携することにより、本県における畜産業のGX及び産業振興が推進されることが期待されます。
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奄美群島の生態系保護啓発ポスターを作成「第49回鹿児島広告協会賞」で協会奨励賞を受賞
表彰式の様子 鹿児島大学は、奄美群島における社会との一つのつながりとして、奄美群島を研究フィールドとしている本学研究者が専門分野の垣根を超えて結集し、奄美群島の生態系保護の啓発ポスターを作成しました。
本学は、奄美群島における地域活性化の中核拠点として教育、研究及び社会貢献活動を推進し、地域課題を解決することを目的とした奄美群島拠点を設置しており、今後も奄美群島との連携強化を図って参ります。
なお、本ポスターは、第49回鹿児島広告協会賞の印刷A(ポスター)部門にて協会奨励賞を受賞し、4月23日にホテルレクストン鹿児島で表彰式が行われました。同賞は、鹿児島の有志企業・広告会社による「鹿児島広告協会」が毎年、その年につくられた広告物・販促物で優れたものを表彰するものです。
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学生企画による鹿児島大学SDGs活動推進オリジナル動画を制作!
この度、本学学生が企画し、キャスト出演したオリジナルのSDGs動画を制作いたしました。
この動画は、「大学生の1日」をテーマに、大学生の日常生活をよりイメージしやすい形で、SDGs観点を盛り込んだ内容に仕上がっております。
鹿児島大学は、南九州・南西諸島域の「知(地)の拠点」として、これまで蓄えてきた教育研究活動の成果やさまざまな取り組みから生まれる「知の力」を、今後も惜しみなく発揮し、学生、教職員及び本学関係者一丸となり、「オール鹿大」でSDGs達成の推進に取り組むことを目標としており、当該取り組みの一環として動画を制作いたしました。皆さまぜひ一度ご覧ください。
株式会社 植村組
- 貴社の業務やSDGsへの取り組みなどについて教えてください
- 植村組は創業者の意思「地域と一緒に生きよう」を合言葉に成長を続けている会社です。経営理念である「全従業員と家族の物心両面幸福追求」「建設業を通じて地域社会への貢献」を通じて、SDGs実現に向けた取り組みを進めています。
- 本学の学生に向けて応援メッセージをお願いします!
- 鹿児島大学の皆さんへ!植村組は技術革新とイノベーションの最前線に立ち、持続可能な社会の実現に向けた挑戦に取り組んでいます。それにはあなたの力が必要です。あなたの未来が輝くサポートを提供します。共に未来を築き上げましょう。
読者アンケートのご協力のお願い
本誌に関する皆様からの率直なご意見・ご感想についてお待ちしております。
鹿大「進取の精神」支援基金へのご寄附のお願い
鹿大「進取の精神」支援基金は、2015(平成27)年の一般資金創設から、趣旨にご賛同いただいた多くの皆様方からご支援をいただき、現在では、修学支援事業基金や学部等支援基金*などの特定資金を加え、本学の教育・研究活動充実のため、大切に活用させていただいております。一般資金には、ご不要となりました本などの物品をご提供いただき、その査定金額をご寄附いただくリサイクル募金もございます。皆様からのご支援をお待ちしております。
【お問い合わせ先】
鹿児島大学総務部総務課広報・渉外室基金・渉外係
TEL:099-285-3101
*学部等支援基金:歯学部・鹿児島大学病院・練習船・医学部学科教育・教育学部附属学校園・動物病院・工学部教育研究支援基金・SKLVセンター基金
鹿児島大学農学部 4年吉村 心さん
かごしま課題解決型インターンシップに
参加したから見えた自分の未来
事前に各事業所から課題を与えられ、さまざまな就業体験を通じて受け入れ先や鹿児島県の現状に関する理解を深めつつ、課題解決策の提案に取り組む「かごしま課題解決型インターンシップ」。吉村さんは、本学キャリア形成支援センター西山さんからの勧めで、地域商社まくらざき(現:地域商社推進機構)のインターンシップに参加。「与えられた課題は、枕崎市における関係人口を増やすこと。有名な観光地の訪問、企業との交流、ワークショップのほか、空き時間に自ら市内を歩き回って枕崎の魅力や課題を探りました」。プレゼンテーションでは「恋活ツアー」をテーマに、自分なりのアイデアを発表し、好評を博しました。
「積極性や自主性が身につきました。インターンを通じて知り合った企業の方々からリーダーシップなどのスキルを学べたのも大きな収穫です」。今回のインターンシップで地方創生や地域活性化に関心を抱くようになった吉村さん。地方創生と、多くの人の幸せに貢献できるかを軸に就職活動をしています。「インターンに参加したから自分が本当に進みたい道が見えてきました。次回は、提案だけでなく実践的な活動が予定されているようです。地方創生に興味のある学生はぜひ参加してほしい。新たな視点を得られると思います」。
私の座右の銘
向き不向きより前向き
大学受験で心が折れそうになっていた私に恩師が教えてくれた言葉です。向き不向きを気にすることなく、また簡単にあきらめることなく、何ごともやってみようと思えるようになりました。
Enjoy Baseball!!
- 準硬式野球とは?
- 準硬式球という独自のボールを使用する野球競技です。硬式球よりもやや柔らかいボールなので、安全性の高い点が特徴です。
- 準硬式野球部の魅力は?
- 一人一人がミスを恐れることなく、楽しみながらプレーできるところが魅力です。野球経験者だけでなく、未経験者でも気軽に練習に参加できます。
- 活動内容について教えて下さい。
- 毎週水・日曜に3時間程度の練習を行っています。春・夏に開催される南九州のリーグ戦や、九州大会などさまざまな大会に出場し、技術の向上を目指しています。
DATA ※2024年4/27 時点
- 部員数
- 21名[選手19名・マネージャー2名]
- 活動場所
- 桜ヶ丘グラウンド・鴨池中学校
- 活動日時
- 19:00~[水]
13:00~[日]
SNS & CONTACT
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