「大学院」では、どのようなことを学んで、どのような意義があるのでしょうか。理工学研究科教授で、同研究科の入試委員長も務めている駒﨑慎一教授にお話を伺いました。
駒崎 慎一教授
そもそも大学院とは、大学を卒業した学生が、さらに専門的な学術研究や高度な職業能力を身につけるための教育・研究機関です。学部教育の上位に位置づけられ、修士課程(博士前期課程)、博士課程(博士後期課程)、専門職大学院などで構成されています。
本学の大学院には、9つの研究科があります。研究科によって院試の内容は異なりますが、筆記試験や面接などが行われます。本学学部学生が大学院に進学する割合は、おおよそ4人に1人。学部によって差はありますが、意外と大学院を身近に感じる数字なのではないでしょうか。
大学院では、学生自身が主体的に研究テーマを設定し、指導教員からアドバイスを受けながら研究を進めます。「自分が何を学びたいのか」「将来どのようなキャリアを築きたいのか」が明確な学生にとって、大学院進学は非常に有効な選択肢だと思います。特に、研究職や高度な専門職を目指すのであればなおのこと必須といえるでしょう。
理学部や工学部では、学部教育から大学院理工学研究科への教育の継続性を考慮して、「理数教育プロジェクトコース」(理学部)、「学士・修士一貫教育」(工学部)を実践しています。本学理工学研究科への進学を希望する優秀な学生が学部3年次から開始できる教育で、学部4年次には卒業研究の実施とともに、大学院の授業科目を先取りして履修できることが特徴です。計画的に学修や研究を進めることで、より高度な研究や長期の海外研修、研究インターンシップへの参加がしやすくなります。本気で大学院に進学する気持ちがあるなら、このような制度を利用するのもいいでしょう。
しかし、大学院で学ぶためには、学費がかかることも事実です。進学を検討する際には、自分のキャリアプラン、経済状況、そして何より「もっと学びたい」という意欲があるかどうか、それらを総合的に考慮し、先生方や大学院生に直接聞いてみるなど、十分な情報収集を行うことも大切です。研究科によっては入試説明会を開催していたり、院試の過去問を入手したりすることが可能です。
大学院で自ら動いて研究することで得られる解決能力は、社会に出た際にも必ず役に立つはずですし、企業から求められているスキルであると思います。保証人の皆さまも、一度お子さまと大学院進学について検討していただければと思います。
「大学院生ってどんな研究活動をしているの?」「学部との違いは?」など、大学院進学のリアルを、学生広報サポーターが直撃して聞いてみました。
大学院では、主体性を持って研究を進めていく力が必要
- 玉置
- 学生広報サポーターの玉置です。本日はよろしくお願いします。
- 木村
- 農林水産学研究科の木村です。こちらこそよろしくお願いします。
- 玉置
- それでは早速ですが、現在大学院でどんなことを学ばれているか教えていただけますか。
- 木村
- 私の研究テーマはソラマメの血圧上昇抑制作用に関する研究で、血管関連疾患を食生活の観点から予防する、というものです。学部時代は、実は違う研究室だったんですけれど、加治屋先生の研究している内容に興味を持ってこちらの研究室に移動しました。
- 玉置
- 大学院と学部で、学びの違いはありますか?
- 木村
- 研究がメインになってくるので、計画を自分で立てたり、自分の研究内容に関する論文を読んだり、先輩方の研究を読んだり、情報収集をしたりと、主体性を持って自分の力で研究を進めていく力が必要です。そこが、学部との大きな違いだと思います。
- 玉置
- なるほど。
- 木村
- でも、学部時代の勉強も今に生かされていて。当時はあまりピンと来なかったことも、大学院での実験を通じて「あの時、講義で学んだのはこれだったのか」と結びつく瞬間も多々あります。
- 玉置
- 先ほど「主体性を持って学ぶことが大切」とおっしゃっていましたが、最初からすぐにできるものですか?
- 木村
- いやいや。最初は他の人が発表している内容が全然分かりませんでした。でも実験を繰り返して先輩たちの発表を聞いていく中で少しずつ理解できるようになり、だからこそ積極的に質問をしたり、自分から考えて学んだりできるようになったんじゃないかなと思います。

専門的に学んでいく中で大学院への進学を考える学生が多い
- 玉置
- 大学院進学にあたって、ご家族と相談はされましたか?
- 木村
- 私の両親は農学部に行った時点で大学院進学も想定していたらしく、「院試を受けたい」と言った時も「行きたいならいいよ」という感じでした。私が学部へ入学した年の入学式はコロナ禍で開催されなかったので、大学院の入学式の姿を両親に見せられたのは良かったです(笑)。
- 玉置
- 大学に入学した時点で、大学院への進学は考えていたんですか?
- 木村
- 入学した時点ではあまり考えていなかったんですけど、3年生になってどんどん学びが専門的になる中で、より深く学びたいなっていう気持ちが出てきて。
- 玉置
- やはり、3年生ぐらいでそう考える方は多いですか?
- 木村
- 3年生になると研究室に配属されて就活も始まるので、そこで考える人は多いと思います。
- 玉置
- 僕はまだ2年生で研究室に配属されておらず、自分の方向性もはっきりと定まっていないので、3年生になっていろいろ調べてからでもいいのかなと、今お話を聞いて思いました。
修士の2年間は自分の未来をさらに見つめ直す時間になる
- 玉置
- 大学院への進学を検討している学部生やご家族の方にアドバイスはありますか?
- 木村
- そんなに偉そうなことは言えないですが(笑)、大学院に進学したら自分の好きな研究に没頭できて、後輩や先輩との繋がりもさらに広がると思います。修士の2年間は長いようであっという間なんですけれど、いろんな経験を積むのにいい時間になると思いますし、特に進路に悩んでいる方も自分の好きなことや、向いていることなどを見つめ直す時間にもなると思うので、ぜひ大学院を選択肢の一つとして考えてもらえたらと思います。
- 玉置
- ありがとうございます。ちなみにご卒業後は?
- 木村
- 品質管理という職種に興味があって、卒業後は食品メーカーに内定を頂戴しています。大学で学んだ専門知識や経験を生かしながら社会人として働いていきたいと思っています。現在進行中の研究に関しては、卒業までの残り半年で成果を出せるように追い込みます(笑)。
もう一つはアルバイトの経験。居酒屋で働いていたのですが、笑顔で過ごしてもらうために自分がどんなことができるか、そんなことを考えるきっかけにもなりました。 - 玉置
- 僕自身も大学院への進学を考えている中で、今日のお話はとても参考になりました。今日はどうもありがとうございました。
木村さんの担当教員
加治屋 勝子研究教授から
木村さんに一言
大学院進学当初に比べたら、今では積極的に質問をするようになったところに成長を感じています。就職してからもぜひ頑張ってほしいです!
人文社会科学研究科で税法学を専門に教育に取り組む本村 大輔先生を、広報サポーターが取材しました。
大学院での学びの特徴や、進学を考えている学生へのアドバイスなどをご紹介します!
(取材:学生広報サポーター 玉置 藍さん)
本村 大輔准教授
難解な税法を読み解き解釈する
私の研究室では、税法学に関する理論研究と判例研究を行っています。税法学は非常に難解な分野です。そのため、大学院2年間で、納税者が納税をする根拠となる税法を正しく解釈する力を身につけます。解釈の研究は、研究者が示した学説だけでなく、裁判所の判断も踏まえ、多角的な視点から研究を進めていく必要があります。端的に言えば、法律を読み解く力を2年間で徹底的に鍛えるわけです。
税法研究室に所属する大学院生の多くは税理士を目指して入学します。そして、大学院修了後は、税理士法人や税理士事務所へ就職する人も少なくありません。税理士の実務では、顧客から納税の根拠を問われることがありますが、大学院で培った法解釈力があれば、疑問にも的確に答え問題を解決する力が身につくと考えております。
大学院では「わからないことが理解できる瞬間」を楽しむ学びを
大学院は、能動的かつ主体的に研究を進めていく場です。言い換えると、研究テーマを自ら選択する自由があるというわけです。ただし、その反面当該研究に関する責任も伴うということを忘れてはなりません。この点を踏まえ、大学院生は、「自分の主張をどうやって客観的に裏付けるのか」という点を意識しながら、構成を考え、先行研究や文献の調査を行います。ここでの教員の役割は、マラソンでいうところの伴走であり、補助と助言となります。それゆえ、自らの研究は、計画性をもって自ら進めていく必要があります。自ら考える作業は決して簡単ではありませんが、「わからないことが理解できるようになる瞬間」は非常に楽しいものです。
大学院を目指す学生へのメッセージ
大学院に進学するということは、まず「何を研究したいのか」というビジョンを持っていることが前提条件です。しかし、この前提条件が最初の壁として立ちはだかることになります。この前提条件をクリアするため、大学院を目指したいと思ったら、わからないところ、疑問に思うところを発見する力=「疑問力」を磨いてほしいと思います。
まずは普段の授業の受け方を変えてみましょう。受動的に授業を受けるのではなく、事前に教科書を読み、疑問点を箇条書きしておく。そして授業で分からないことがあれば教員に質問する。このように主体的な姿勢で学ぶことで、「疑問力」が自然と身についていきます。単純なことを継続するのは簡単ではありませんが、こうした一見地味な努力も続ければ確実に力がつきます。
最後に、大学院進学は費用と時間がかかりますが、一方で「自分の付加価値を高めるための投資」と捉えることもできます。その意味を理解すれば、大学院での生活がより魅力的なものに、また困難な時期のモチベーションにもなるでしょう。皆さんにとって大学院進学が、魅力ある選択肢のひとつとなると嬉しいです。
人文社会科学研究科で日本史を研究している吉満 雅さんに、学生広報サポーターがお話を伺いました!
(取材:学生広報サポーター 玉置 藍さん)
大学院進学を決めるまで
―はじめに、大学院に進学しようと思った理由を教えてください。
私は鹿児島出身ですが、学部生の頃は県外の大学で日本史について学んでいました。その中で、自分の歴史への興味のルーツである“鹿児島県の歴史”をもっと深く学びたいと思うようになったことが進学のきっかけです。
―大学院に進学したいと考えるようになったのはいつ頃でしたか?
2年生の頃から「なんとなく行きたい」という気持ちがありました。多くの人が学部で卒業する中、時間とお金をかけた決断ですので、進学する意味をじっくり考える時間を作りました。最終的には、大学院での学びを将来の仕事に活かしたいと思い、3年生のときに両親にしっかり話し、進学を決めました。
―ご家族に話したときは、どんな反応だったのですか?
両親は、ありがたいことに積極的に応援してくれました。
大学院の魅力とは
―実際に進学してみて、大学院にはどんな魅力がありますか?
学部では受け身の授業が多いですが、大学院では自分から授業を展開していくことが求められます。史料を読み、疑問点を考察・討論する授業が多く、討論のための事前準備は大変ですが、知らなかったことを知る喜びがあります。最初は的外れな史料を持って行ってしまうこともありましたが、今では少しずつ力がついてきたと実感しています。
他にも「院生室」という専用の部屋で、年齢や国籍の異なる多様な人たちと学んだり交流したりできる環境も魅力的で、日々刺激を受けています。
―大学院進学を考えている学部生にメッセージをお願いします!
「学びたい」という強い意思がとても大切だと思います。課題やレジュメに追われる日々は大変ですが、その意思があれば楽しむことができます。私自身、大学入学時がコロナ禍でオンライン授業が多く、あまり大学に通えなかったこともありましたが、今は学部4年間よりも濃い2年間を過ごせています。
郷土に根差した教育ができる教師を目指して
―卒業後はどんなお仕事をされる予定でしょうか?
鹿児島県の中学校で教員として働く予定です。「郷土を愛する教育」「郷土に根差した教育」を、大学院での経験を生かして実践していきたいです。有名な偉人だけでなく、教科書に載らない郷土の人物や、教科書で簡単に触れられるだけの偉人も、鹿児島で生きた一人の人間として子どもたちに伝えたいです。
大学院で史料を探す日々の中で、「この史料、授業で使えそう!」という発見が多々あります。たとえ得意科目にならなくても、「歴史って面白い!」ということを教えていける先生を目指して頑張ります!
今号のテーマは「研究室の雰囲気を教えて!」&「授業の中で感じた学生たちの成長」。
より日常に近い学生たちの様子を、担当の先生の目線からご紹介します。
…研究室の雰囲気を教えて!…授業の中で感じた学生たちの成長
法文学部
法文学部では、「鹿児島の近現代」教育研究センターを中心に、鹿児島の歴史や文化、産業、生活などに関する研究教育活動を通して地域貢献を行っています。
社会学ゼミ
片桐 資津子 教授
Q1.どんな研究をしていますか?
学生一人ひとりが自分の「問い」を見つけ、探究していきます。卒論テーマは、SNS炎上やサブカルなど多様ですが、それらを通して日本社会の仕組みや価値観を読み解くのが社会学の醍醐味。教員は日米の高齢者介護や尊厳死を研究しています。

Q2.研究室の雰囲気は?
ゼミ生は学年を超えて交流し、国際交流や地域イベントも自ら企画。教員は裏方として支え、自由で対話的な空気の中、仲間とともに成長できます。

演習(自治体政策論ゼミ)
崎野 剛 准教授
演習では、自治体政策の意義・必要性や、政策立案の考え方などを議論します。また、活動を通して、地域に飛び込み、地域貢献のプロセスを理解します。最初は、遠慮がちだった下級生が、上級生の背中を見て学び、堂々と意見を述べるようになりました!

教育学部
多岐にわたる教育コースと実践的な学びで、多様な子どもたちに対応できる教員を養成します。鹿児島の地域特性を踏まえた教育も学べます。
機械技術研究室
深川 和良 准教授
Q1.どんな研究をしていますか?
主に中学校技術科や工業高校におけるエネルギー変換技術と金属加工の内容についての教材や授業の開発・研究を行っていますが、校種問わずものづくり教育や環境教育もテーマにしています。最近は安全教育もテーマとして取り組んでいます。

Q2.研究室の雰囲気は?
道徳の授業デザイン論」「学校研究の手法と実践」「学校における生徒指導の実践と課題」「学校におけるデータ分析とその活用」を担当しています。
学生同士が協力し合いながら研究に取り組んでいます。
また、ものづくり教室も開催しており、子どもたちに楽しくものづくりを伝える活動も行っています。

生物学野外実験
川西 基博 准教授
自然生態系においてフィールドでの研究手法と動植物の生態を学ぶ実習です。
初めて野外調査に臨む学生がほとんどですが、自然のなかで動物や植物を発見し楽しめるほどに成長しました。

理学部
大学院への進学は、より幅広い将来の選択を可能とします。「理数教育特別コース」の選択がスムーズな大学院進学につながります。
小沼研究室(生物学プログラム)
小沼 健 准教授
Q1.どんな研究をしていますか?
オタマボヤという小さな動物プランクトンをもちいて体づくりの研究(発生学)をしています。一生が5日という短さで、さまざまな実験ができます。現在は「ハウス」という餌を集める装置を体外に作るしくみを研究しています。
Q2.研究室の雰囲気は?
オタマボヤは新規に実験動物化した生物で、他の生物にない特質を活かした実験ができます。前例がないテーマに挑む人が多く、真剣にかつ楽しく議論する雰囲気があります。(写真は飲み会のような研究打ち合わせです笑)

非線形現象の科学
秦 重史 准教授
3年生を対象とした発展的な科目です。これまでに学んだ物理学と数学の知識を用いて、身の回りで起こる自然現象の理解を目指します。最初はみんな難しそうな顔をしていましたが、回を重ねると質問が飛び交うようになりました。

医学部
医学部は、1.人間性豊かな、2.地域に貢献する、3.研究心旺盛な、4.国際的視野に立つ、医学・医療を担う人を育成しています。
奥野研究室(生化学・分子生物学分野)
奥野 浩行 教授
Q1.どんな研究をしていますか?
私たちの研究室では、記憶や学習に関わる遺伝子、とくに神経活動で変化する遺伝子の役割を調べています。マウスや神経細胞を用いて脳のしくみを解明し、記憶の病気の理解や新しい薬の開発を目指しています。

Q2.研究室の雰囲気は?
研究室では学部生や大学院生、研究員、教員が一緒に研究に取り組み、毎週の研究進捗報告や文献紹介を行っています。海外からの研究訪問者や留学生もいる国際色豊かな研究室です。学会などにも参加して学外の人たちとも交流を持つ機会もあります。

身体機能・画像診断学
永野 聡 教授
看護・理学療法・作業療法3専攻の学生が一緒に、患者さんの問診・所見・画像など診断学を学ぶ講義です。講義後半では症例の診断をスマホからの投票形式で進めていくと、学生さんの診断力が向上しているのが見て取れます。

歯学部
確かな知識・技術と豊かな人間性を備え、口腔の機能を守ることを通じて人々の全身的な健康と幸福な生活の実現に貢献できる歯科医師を育てます。
分子口腔病理学分野
笹平 智則 教授
Q1.どんな研究をしていますか?
病理学は顕微鏡を使って病気の最終診断を行う学問ですが、最近では遺伝子やタンパクの知見に基づいた分子病理診断も重要な役割を担うようになってきました。形態(顕微鏡)と分子(遺伝子・タンパク)を熟知した口腔病理医として、口腔がんの新たな診断・治療システムの開発を目指しています。

Q2.研究室の雰囲気は?
大学院生3名、ゼミ生(学部学生)2名が当分野で研究しており、研究の進捗状況を2週間に1回発表してもらっています。研究室は常に和気あいあいとしています。ここ数年、若い彼らが毎年のように学会賞を獲ってくれており、若人の熱量と柔軟な発想を糧に活力が漲る充実した日々を過ごしています。

離島歯科巡回診療同行実習(地域・離島歯科医療学 関連実習)
南 弘之 教授
臨床実習の学生が無歯科医離島への巡回歯科診療に参加して、住環境や医療環境を体験します。携行器材を最大限に利用する策を考え、予防医学の重要性も実感しました。さらに、自身の将来の歯科医師像を考える一助ともなりました。

工学部
「モノづくりをものにする」工学部では性別問わず全ての学生が、好きなことを仕事にするための力を身につけられる教育を行っています。
堀江・野見山グループ:野見山研究室
野見山 輝明 准教授
Q1.どんな研究をしていますか?
これからの社会に不可欠な次世代電池の開発に取り組んでいます。世界初の「光で充電できる電池」の開発を軸に、ナノスケールの材料合成から電池作製、さらに評価技術に至る幅広い工学分野を研究対象にしています。

Q2.研究室の雰囲気は?
毎日の朝礼でみんなのデータを共有し、学生と共に議論しています。対等に意見を交わせる環境で、学生が心から自分の興味を追求できる雰囲気を目指しています。

分離工学
二井 晋 教授
化学工学プログラム3年生の必修講義で、化学のモノづくりに役立つ蒸留など分離の幅広い知識を学びます。学生が自ら考え、気軽に質問できるように、3行コメント用紙を配布して翌週回答しています。回を重ねるごとに気づきや質問内容が深くなり、学びの充実が感じられます。

農学部
約120年の歴史を有する農学部は、2024年4月に生まれ変わりました。教育・研究を更に充実させることにより、学生生活を力強くサポートしていきます。
木材工学研究室&木質組織学研究室(木質資源利用学研究室)
西野 吉彦 教授、髙橋 さやか 助教
Q1.どんな研究をしていますか?
木材は家具や家の柱など、私たちの身近な場所で使われています。研究室では木材を利用する時に必要な、木の密度や強度・色彩などの物性について研究しています。また、樹木の幹の構造がどのように形成されるかの研究もしています。

Q2.研究室の雰囲気は?
毎週ゼミで顔を合わせつつ、就職活動に力を入れている学生や研究をコツコツ行う学生など、自由度が大きく、各々のペースに合わせて楽しく過ごしています。

森林基礎実習
牧野 耕輔 助教
森林管理に必要な基礎的な知識と技術を学ぶ実習です。造林用の鎌など道具の扱いに慣れてくると、より安全で効率的に使用する方法を学生自身が考え、実践するようになりました。

水産学部
教職員と学生の距離感の近い教育・研究活動を通して、高い学力と就職率とともに、人間力やコミュニケーション力の高い人材育成に力を入れています。
ケミカルバイオロジー研究室水圏生物毒性学部門
内匠 正太 准教授
Q1.どんな研究をしていますか?
主に水産物に含まれる物質が、ヒトの健康にどの様な影響を及ぼすかについて研究を行っています。具体的には、ヒト由来の培養細胞を用いた解析により、その物質の作用メカニズムを明らかにする研究を行っています。

Q2.研究室の雰囲気は?
和やかな雰囲気の研究室で、人数も多いのでレクリエーションやBBQなどのイベントを通して、メンバー同士の交流を深めています。それぞれが、自由な発想で研究できる雰囲気を作りたいと思っています。

食品科学基礎実験
熊谷 百慶 助教
化学薬品の安全な取り扱いや廃棄処理、実験器具の操作方法を習得します。はじめは慣れない機器に戸惑うこともありますが、次第に操作に慣れ、食品分析に必要な技術や姿勢が身に付いていきます。本実験で身に付けた知識や技術は卒業研究を進めるための基盤となります。

共同獣医学部
共同獣医学部附属の入来牧場は家畜専門の教育・研究施設で、畜産学科の2年生が5日間泊まりがけで牧場における肉用牛の飼養管理および草地管理を学んでいます。

臨床獣医学講座 画像診断学分野
三浦 直樹 教授
Q1.どんな研究をしていますか?
犬のがんや牛の乳房炎を対象に、臨床サンプルを用いてバイオインフォマティクスを駆使し、ノンコーディングRNAや細胞外小胞を解析することで、病気の早期診断や新しい治療法の開発を目指しています。

Q2.研究室の雰囲気は?
研究室は国際色豊かな大学院生と研究者が集い、多様な背景を活かして意見を交わしながら新しい発見を育む、明るく活気ある雰囲気です。

キャリア形成概論
2年生担当教員
本講義では、多様な分野で活躍する獣医師から現場の最前線を直接学びます。生の声に触れることで、将来のキャリアへの意識を一層高めることができます。

学生広報サポーターが迫る! それぞれの情熱ストーリー
学生広報サポーターが大会で目覚ましい活躍を見せた2つのサークル(部・同好会)を特別取材。その内容や活動への熱い想いに迫ります。
剣道部
濵野 純平さん(法文学部4年)
私は4歳から剣道を始め、小・中・高・大と一貫して剣の道を歩み続けてきました。剣道の先生である父のもと、兄二人とともに家族で試合のビデオを見て反省会をするような環境で育ち、剣道はずっと生活の一部でした。高校時代は「勝って当然」という空気の中で剣道をしていましたが、大学生となった今では「勝ちたい」という気持ちを持ちつつ、冷静にベストを尽くすことを意識するようになりました。力まず臨んだことが良い結果につながっていると思います。
私が主将を務めている剣道部には、現在約38名が所属しており、週4回、1時間半の練習を行っています。東南アジアや韓国からの留学生も在籍し、国際的な交流もあります。就職活動や留学などで全員が揃う機会は限られますが、集まるときはとても賑やかです。先の大会は個人戦でしたが、次は団体戦を勝ち上がってチームで全国大会に出場することが目標です!
就職後の目標は、実業団チームの一員として、試合に出場することです。内定先の実業団チームは強豪なので、まずは試合に出場するために練習を続けていきます。これまでは勉強との両立に努めてきましたが、剣道で培った礼儀、両立力、継続力を支えに、これからは仕事と剣道の両立を頑張っていきたいです。
SATSUMAロケット研究会
(左から)
川﨑 一葉さん(工学部2年)
今井 昴さん(工学部2年)
小出 龍之介さん(工学部2年)
私たちSATSUMAロケット研究会は、学部生・院生合わせて部員約30名で、航空宇宙が好きな仲間たちと日々モデルロケットづくりに励んでいます。授業の合間や放課後など各々のタイミングで集まり、自主的に作業を進めています。
ロケットや航空宇宙への興味のきっかけは、「幼少期に種子島でH-IIロケットの打ち上げを見たこと」(今井さん)、「地元である鹿大にロケット研究会があることを知り、模型飛行機の開発を通じて航空宇宙分野に関わりたいと思ったこと」(川﨑さん)、「はやぶさの初号機帰還のニュースを見て、自分でも研究をしたくなったこと」(小出さん)など様々です。鹿大は種子島からも近く、研究会もあるため身近に航空宇宙を感じられる優れた学習環境だと感じています。
今年3月の種子島ロケットコンテストでは、高度を競う競技でプロダクト賞を受賞しました。高度自体は振るわなかったものの、新たな空力設計に挑戦した点が評価されました。こうした挑戦を通じて、実際の航空機技術を模型スケールに落とし込む力が身につき、自身の成長を実感しています。
今後も、コンテストでの打ち上げ成功と、チーム一丸での受賞に向けて頑張りますので、ぜひ応援をお願いいたします!
KUS-鹿児島ユナイテッドFC応援サークル-
主 将:宿利原 大樹さん(法文学部3年)部員数:50名(男子40名、女子10名)
鹿児島ユナイテッドFCのホームゲーム観戦やアウェイ(県外)遠征&観光、フットサル、クラブとの協働イベントが主な活動です。サークル内の仲が深まることはもちろん、クラブや企業、サポーターなど様々な人と関わることもできます!
ニューミュージック愛好会
副主将:中崎 心愛さん(教育学部3年)部員数:85名(男子46名、女子39名)
イベントごとにバンドを組み、自由に練習を決めるため、部員それぞれ自分のペースで楽しく活動しています。また、学祭演奏や年に1回のキャンプなどもあり、音楽や学部を超えた仲間との交流ができるのも魅力です!
馬術部
イベント・行事・新歓担当:三木 琴葉さん(共同獣医学部2年)部員数:29名(男子12名、女子17名)
馬と過ごす日々は、心を通わせ、自分自身の成長も実感できる貴重な時間です。優しくてかっこいい馬たちと向き合いながら、責任感や仲間との絆も育まれ、充実した学生生活を送っています。
読者の皆さま、アンケートにいつもたくさんのご意見ありがとうございます!
今回は「鹿大の“ココ”が知りたい」というお声の中から、2つをピックアップしてご紹介します。
ぜひ、広報誌「鹿大ジャーナル」もご覧ください!
鹿大だよりは学生の活躍にテーマを絞ってお届けしておりますが、鹿大ジャーナルは大学の研究や取り組みなどの幅広いテーマで年3回発行、ボリュームたっぷりの情報をお楽しみいただけます♪
(リンクが下の欄にあります)
授業参観とは目的が異なりますが、学生と一緒に約15回の講義を受講することができる「公開授業」はいかがでしょうか。公開授業は、鹿児島大学の教員が担当する、学生向けの正規の授業の一部を一般の方へと開放する取り組みです。授業の形式は科目によって対面、オンラインなど様々で、1科目1万円の授業料で受講することができます。
今号は、読者アンケートのご意見を参考に、9トピックスやサークル活動の成果を多めに取り上げご紹介いたしました。学生広報サポーターも取材に加わりとても賑やかな制作現場でしたので、楽しい空気感が皆様にも伝わるといいなと思います。