
井戸 章雄
令和7年4月に鹿児島大学長に就任しました井戸章雄です。
鹿児島大学は1773年に島津家第25代島津重豪によって創設された「藩学造士館」を起源とし、その建学の精神「学問の自由と多様性を堅持しつつ、自主自立の進取の精神を尊重し、地域と共に社会の発展に貢献する」こととともに教育を通じて「向上心を持って自ら困難に立ち向かい、国際社会で活躍しうる人材を育成する」ことを掲げています。
本学では、「進取の精神」を自ら培い、グローバルな視点を有し、世界に羽ばたき活躍できる人材を育成するため、海外留学・海外研修、ボランティア活動および「進取の精神」を具現化しチャレンジする取組みを支援し、学生の向上心を育てるための奨学金制度や表彰制度を設け、学生が安心して学べるキャンパス環境を整えています。さらに、9つの学部と9つの大学院研究科に1万人を超える学生が在籍している総合大学の強みを活かした学部横断的な学び、地域と協働した学び、地域特性を活かした体験型教育、社会の急激な変化を見据えた柔軟な教育を推進しています。
2つの世界自然遺産「屋久島」と「奄美大島・徳之島」に加えて、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」を有する鹿児島の豊かな自然、固有の文化・歴史という恵まれた環境の中で、様々なことを学び、人としても成長し、鹿児島大学で学んだことに自信と誇りを持って国際的にも活躍できる人材に育って欲しいと思います。
本学が目指す困難な課題に果敢に挑戦する「進取の精神」と国際的な広い視野を備えた人材育成に皆さまと共に手を取り合いながら取り組んで参ります。未来を創る若者たちへのご支援、ご協力、宜しくお願い申し上げます。

- S59.6
- 長崎大学医学部附属病院 第一内科 研修医
- H 2.9
- カルガリー大学医学部 生化学教室 研究員
- H 8.11
- 宮崎医科大学医学部 内科学第二講座 助手
- H13.10
- 同 講師
- H14.7
- 京都大学医学部附属病院 探索医療センター 助教授
- H19.7
- 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科健康科学専攻人間環境学講座 消化器疾患・生活習慣病学分野 准教授
- H26.1
- 同 教授
- H27.4
- 鹿児島大学医学部・歯学部附属病院病院長補佐(兼任)
- R 3.4
- 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 研究科長(兼任)
- R 5.4
- 鹿児島大学 理事・副学長(研究・情報担当)
- R 7.4
- 鹿児島大学 学長
- 現在に至る

4月7日、鹿児島県総合体育センター体育館にて入学式を執り行いました。今年度の入学生は、学部生1,924名、大学院生621名の計2,545名。ご来賓およびたくさんのご家族の皆さまにご参列いただきました。式では井戸章雄学長による入学許可に続き、今吉粒桜さん(学部入学生代表)、阿野太郎さん(大学院入学生代表)が入学生宣誓を行いました。

学部入学生代表
医学部 保健学科
今吉 粒桜さん
幼い頃に入院した際、医師や看護師の方々に支えていただき、いつか私も医療従事者として鹿児島に恩返ししたいと鹿児島大学に入学しました。大学では離島へき地医療や緩和ケアなど学びたいことがたくさんありますし、ボランティアサークルにも入りたいです。健康面だけでなく、精神面でも寄り添えるような医療従事者を目指して頑張ります。

大学院入学生代表
人文社会科学研究科 人間環境文化論専攻
阿野 太郎さん
学部3年時から比較心理学ゼミに入り、動物の行動の特性から人間の行動にも通じる原理などを研究しており、もっと突き詰めて研究したいと大学院に進学しました。大学院ではさらに実験を重ねてデータを増やし、いずれは学会などで発表していければと考えています。他にも、脳が分泌するホルモンにも興味があるのでひたすら研究に没頭したいです。





躍動 ―
学生文化の花を咲かせよう!
今年の鹿大祭のテーマは「躍動 ― 学生文化の花を咲かせよう!」。私たち鹿大生の躍動感あふれる学生文化を、たくさんの市民の皆さまに見ていただきたいという思いを込めました。雨に降られる日もありましたが、3日間ともキャンパスにはたくさんの来場者の笑顔があふれ、とても充実した大学祭となりました。
鹿大祭の伝統として「学生が主役」という言葉があります。7月に実行委員会を結成してから慣れないことばかりで大変でしたが、みんなと一緒に協力して作り上げていく過程はとても貴重な体験でした。この経験をこれからに生かしていきたいと思います。

副委員長
手塚 啓太さん
水産学部2年


雨で、風で、やめねーゼッテー
マジで?桜ヶ丘祭…全部生身で?
一昨年、昨年と天候に恵まれなかったことから、今年は例年より2週間ほど日程を早めました。そのおかげで、今年は無事に2日間実施することができました。医学部歯学部ならではの献血・骨髄バンクや血圧測定、高齢者体験などのほか、ステージではお笑い芸人ライブなどでも盛り上がりました。
実は準備段階で予算が足りないことが発覚(汗)。そこから実行委員会一丸となって協賛活動に動き、何とかギリギリで間に合いました。委員長として決断しないといけないことももちろんありましたが、ひとつのチームとして動くことの大切さをあらためて学んだ気がします。

委員長
益満 樹さん
医学部3年

今号のテーマは各学部の「イチオシの先生」。
令和5年度ベストティーチャー賞を受賞または選考された先生を中心に、これまでに受賞歴のある先生へ研究内容について聞きました!
※ベストティーチャー賞:本学教員の意欲向上と大学教育の活性化を図ることを目的とし、教育実践に顕著な成果をあげた本学教員の功績を表彰するもの
先生の担当する講義や科目は?
ゼミや研究室ではどのような活動を行っているの?
学びを通して学生に伝えたいことは?
法文学部
人文学科 心理学コース / 大学院 人文社会科学研究科
菅野 康太准教授

神経科学の授業を担当しており、国家資格の公認心理師を養成するカリキュラムの1科目にもなっています。その他、統計ソフトの使用法の授業や、科学と社会の関係性を問うような授業も担当しています。
声には感情が表現されますが、脳がそのような情報をどう表現し、どのように受け取っているのかに興味があり、超音波で交わされるマウスの音声コミュニケーションと、それを制御する脳機能の研究をしています。
好きだと思えること、面白いと思えること、知りたいと思えることがあるということが大事だと思います。大学は自由な学びを楽しめる場所です。気になったことを突き詰めて考えることを、誰も止めません。とても大切な時間になるはずです。

教育学部
大学院 教育学研究科
假屋園 昭彦教授

教育学部では中等コースの「教育心理学」、教職大学院では「特別の教科 道徳の授業デザイン論」「学校研究の手法と実践」「学校における生徒指導の実践と課題」「学校におけるデータ分析とその活用」を担当しています。
研究テーマは、学校教育における道徳教育、対話学習、協働学習です。私の研究室では、これらをテーマとした学習モデルを開発する研究を行っています。開発した学習モデルは、実際に小中学校で活用してもらっています。
将来、教師という仕事に就くためにはどんな力が必要かを考えて学生生活を送ってほしいという点です。身に付けてほしい力は、対話力、集団の統率力、協調性、物事を俯瞰できる力です。

理学部
数理情報科学プログラム
塚田 大史助教

理学部において「情報科学基礎I」「確率・統計I」「確率・統計II」を担当しています。
ゼミでは、確率論に関する専門書の講読を行っています。各自、本を読んで理解した内容を発表してもらいます。本の内容をしっかり理解するためには、わからないことを調べたり、他の文献を読んだりして準備する必要があります。
数学の専門書は途中式や証明の省略が多くあり、時には間違いもあります。正確に理解するためには、何がどうしてそうなるのかを常に考えなければいけません。ゼミを通して、この「常に考える」という習慣を身につけてほしいです。

医学部
保健学科 理学療法学専攻
木山 良二准教授

「運動学」や「神経系理学療法学実習」の科目を担当しています。リハビリテーションに携わることを目指す学生に、人間の動作の仕組みや原理、そして脳卒中のリハビリテーションの実践について指導しています。
人間の動作解析を主な研究テーマとしています。モーションキャプチャーや筋電図を用い、動作のメカニズムを分析しています。また、ウェアラブルセンサーを用いることで、病院などの臨床現場でのデータ収集や分析にも取り組んでいます。
私たちの研究室に所属する大学院生は理学療法士です。研究活動を通じて、患者さんの動作のメカニズムへの理解を深め、その知見をリハビリテーションの臨床現場で活用できる能力を身につけてもらいたいと考えています。

歯学部
鹿児島大学病院 発達系歯科センター 小児歯科
稲田 絵美講師

「小児歯科学」では子どもの口を健全に育成するための知識・理論と歯科疾患の診断・治療法を、「障害児(者)歯科学」では特別なケアを必要とする患者さんへの対応法を教えています。また、「臨床実習」では、実際の治療に必要な知識や技術について指導しています。
小児の口腔機能の発達過程や訓練効果の検証、モーションキャプチャーを用いた歯科に関する動作解析、乳歯歯髄細胞を用いた再生医療の研究を通して、小児歯科に関する診断・治療法の考案や検討を行っています。
コミュニケーション能力、治療に必要な知識と技術、そして探求心を持ち、社会に貢献できる歯科医師としての責任感を身につけてほしいと考えています。

工学部
先進工学科 情報・生体システム工学プログラム
大学院 理工学研究科 情報科学専攻 情報科学プログラム
協創情報工学コース小野 智司教授

プログラミングや人工知能の講義を担当しています。学生は講義前に講義映像を視聴して予習を行い、講義中はグループで議論を重ねる形で授業を受けます。大学院では企業と連携して課題解決型の講義を行っています。
機械学習や最適化など人工知能(AI)分野の要素技術と実応用に関する研究を行っています。新しいアルゴリズムを考案したり、企業や他分野の研究者が抱えている未解決の実問題にAI技術を応用しています。
「覚える」ことで思考停止するのではなく、「意味を考える」ことができるようになりましょう。勉強と仕事は似ていませんが、研究と仕事はよく似ています。研究を通じて、課題を見つけて取組み、自分なりの答えを見出す面白さを味わいながら、考える力を鍛えて欲しいと思います。

農学部
農学科 環境共生科学プログラム
坂巻 祥孝教授

「生物的防除論」「害虫学」「植物生産学実験」「基礎生物学入門」「植物生産科学」を担当しています。
夏作・冬作の年2回、学生とともに野菜を栽培して、その野菜上の害虫を殺虫剤に頼らず防除する方法について研究しています。また、殺虫剤に頼らない方法で収量が減ることがないように、収量と収穫物の品質も調査しています。
第一に、出荷できるレベルの野菜を自ら栽培できる力を養っています。そのうえで、畑に現れる害虫や天敵昆虫を見分ける力とどうすれば、害虫達を野菜から遠ざけ、天敵を寄せることができるのか考える力を得て卒業してもらえるようにしています。

水産学部
水産学科 水産経済学分野
佐野 雅昭教授

水産経済学を幅広く教えています。学部では「水産経済学」「水産商品学」「水産マーケティング論」「水産流通論」「養殖経済論」「フードビジネス論」の6講義を担当しています。
当研究室は私、久賀准教授、鈴木助教の3名で運営しており、毎学年10~15名が所属しています。経済学と水産学の両方を基盤とした食品産業や養殖産業の実態分析を行っており、食品企業の最新の動向を学生に伝えています。
現代社会における水産食料の重要性を学び、それに関する専門性を身につけ、日本と世界の水産ビジネスをリードする人材を目指して欲しいです。そのためにも視野を広く持ち、利己的にならず、社会への貢献意識と自己犠牲の精神を育てて欲しいと考えています。

共同獣医学部
共同獣医学科 基礎獣医学講座
辻尾 祐志助教

動物の筋肉、内臓、血管、神経について学ぶ「獣医解剖学」や、それらの微細構造について学ぶ「獣医組織学」の講義と実習を担当しています。
動物の肉眼解剖や骨標本を作製して動物の特徴を明らかにすることや、臓器の顕微鏡標本から構成する細胞のはたらきについて調べています。まれに外部機関から骨の鑑定を依頼されることもあります。
研究活動を通して社会人としての常識を身に付けて卒業してほしいです。研究室には自身の支えになってくれる先輩や後輩、そして我々教員がいます。周りとのコミュニケーションを大切にし、考え、正しい行動を実践できる人材に育ってほしいなと常々思っています。


10月31日、令和6年度共通教育センター長賞表彰式を挙行しました。この表彰は、共通教育科目の通算GPAの値が3.5以上であった学生のうち、各学部の上位2名の学生を共通教育における成績優秀者として表彰するものです。
今回は令和5年度入学生の中から法文学部・教育学部・理学部・医学部・工学部・農学部・水産学部の12名が受賞しました。

12月5日、本学弓道部(顧問:森尾成之教授)は、佐野学長へ全日本学生弓道王座決定戦第72回男子の部、および東西学生弓道選抜対抗試合第70回男子の部の優勝を報告しました。両大会は11月23日から24日にかけて三重県伊勢神宮弓道場で開催され、全日本学生弓道王座決定戦は、鹿児島大学弓道部として出場し優勝を果たしました。
東西学生弓道選抜対抗試合は、九州地区代表として本学弓道部から2名が選抜され、西軍の優勝に大きく貢献しました。また、両大会において、高尾真叶さん(教育学部3年)が最優秀選手賞を受賞するなど、顕著で優秀な成績を修めました。
佐野学長からは、「学業との両立を図りながら素晴らしい結果を修められた。今後も大会連覇に向けて頑張ってください」と、祝福と激励がありました。今後とも本学弓道部への応援をよろしくお願いします。

キャリア形成支援センターでは本学同窓会連合会協力のもと、12月7日に「きばいやんせ、鹿大生2024!」を開催し、44名の学生が参加しました。このイベントは、全学年の学生が、様々なキャリアを有する卒業生に直接話を聞いたり質問をしたりするなど対話を通じて「働くこと」の理解を深めることを目的とし、今回は5名の卒業生をお迎えし開催しました。
はじめに卒業生から業界動向や業務内容、在学中のエピソードといった自己紹介があり、その後、グループに分かれてテーマについて意見を出し合い、発表に対して各ゲストからフィードバックを含めたエールやアドバイスが送られました。
参加学生による事後アンケートでは前向きな声が多くあり、仕事理解の促進だけでなく、在学中の今できる行動が将来必ず役に立つことなど、多くの気づきがありました。
また、今回参加いただいた卒業生には、本学学生の適切なキャリア観の醸成を図り、社会で活躍する人材育成を目的とした「鹿児島大学名誉キャリアサポーター」を委嘱しました。
イベント終了後には、多くの学生が残り質問するなど親睦と理解を深め、卒業生というレンズを通して未来の自分を考える“きっかけ”となる有意義なイベントとなりました。



自動車部
主将:松尾 紘斗さん(工学部3年)部員数:29名(男子28名、女子1名)
自動車部は自動車競技をはじめとした、自動車に関わる活動を行っています。昨年の大会では、初出場ながら全国大会6位の成績を収めました。今年は株式会社マルマエ様と共に、九州学連戦への出場を目指しています。

献血推進サークル「てんてん」
代表:若杉 奈央さん(法文学部2年)部員数:11名(男子5名、女子6名)
私たちは日本赤十字社の学生ボランティアとして活動しており、大学や商業施設で呼びかけ活動を行っています! 県内外の学生と交流する機会もあり様々な経験をすることができます! ぜひインスタを覗いてみてください!
(kagoshimagakusui)

医薬学合同うた部
部員数:28名(男子10名、女子18名)部長:松本 萌さん(医学部3年)
うた部では桜ヶ丘祭コンサートのほか、病院でのミニコンサートを目標に活動しています! 幅広い年齢層に向けたレパートリーを持ち、皆さんに楽しい「うた」をお届けしています♪ 初心者も大歓迎! 伴奏者も募集中♪♪
(utabu_kadai)

令和7年度 キャリア形成支援センター主催イベント
※スケジュールは変更することがあります。詳細はキャリア形成支援センターHPを確認ください。
各学年のボタンをクリックしますと対象のイベントが表示されます。
4月
キャリア総合ガイダンス(キャリアスタートアップセミナー)対面
インターンシップ選考対策講座~自己理解・(大手)企業研究編~Web
大学院生のためのキャリアガイダンス~総合編~Web
公務員試験対策ガイダンスWeb
5月
かごしま課題解決型キャリア実習(職業体験)受入企業によるプログラム説明会対面
かごしま課題解決型キャリア実習(職業体験)募集説明会Web
インターンシップ&仕事研究セミナー事前ガイダンスWeb
インターンシップ&仕事研究セミナー(ブース形式)対面
インターンシップ選考対策講座~イベント活用編~Web
6月
インターンシップ選考対策講座~ESの書き方編~Web
インターンシップ選考対策講座~面接編~Web
模擬面接実践講座 対面
就活リスタート講座Web
大学院修士学生のためのキャリアガイダンス~①文系編 ②理系編~Web
8月
就活マナー実践講座~基礎編~対面
就活マナー実践講座~実践編~対面
9月
SKYCAMP募集説明会対面
留学生向け就職ガイダンスWeb
10月
インターンシップ振返り講座対面
大学院博士学生のためのキャリアガイダンス~①文系編 ②理系編~Web
11月
きばいやんせ2025対面
公務員希望者向けガイダンス①対面
公務員希望者向けガイダンス②対面
12月
就活選考対策講座~ESの書き方編~Web
就活選考対策講座~面接編~Web
模擬面接実践講座対面
1月
進路ガイダンスWeb
2年生のための就活スタートガイダンスWeb
2月
学内個別企業研究セミナー・フェア対面
通年
個別企業説明会・業界研究セミナーWeb・対面
今号では、読者アンケートで多くのお声をいただきました"大学祭の様子"を取り上げました。楽しい雰囲気や開催に尽力した実行委員の思いが伝わればと思います。他にも学生広報サポーターがアイデアを出し合い実際に商品化した鹿大オリジナルグッズにも注目です。
大学の最新情報はHP・Instagramにて随時更新していますのでぜひご覧ください。